俺流15分間クッキング
げっそりとした俺と妙につやつやになったアクセリナは帰宅し、今後の身の振り方について話し合っていた。
「精霊郷には住まないのよね?」
「ああ、俺は向こうに家庭を持っているからな」
「じゃあ私もついていくわ」
えらくあっさりと決まる。
「いいのか?仲間達とは違う時間に生きることになるぞ?」
「あなたと一緒に生きる方が大事よっ///」
俺とアクセリナ顔真っ赤。
そうそう、確認するのを忘れていた。
「アクセリナは戦闘技術は習得しているか?」
誤魔化すように話の方向性を変える。
「私、木精霊だから自然系の魔術はつかえるわよ。あと、風魔術も得意だわ」
木精霊で風魔術とは珍しい。
「他には?」
「スカウト検定準1級を持っているわ。武器は弓だけど、私攻撃が苦手でずっとそこで足踏みしてるの。代わりに隠密、策敵の様な魔術コントロールの技能は得意よ」
魔術コントロールが上手いか…。
そういえばかなり上手にアムリタの強化していたな。
俺は魔術師の中でもトップクラスで魔術コントロールが上手い。
その俺でもアムリタの強化を失敗し、効果はアクセリナと同等だったが味はマーマ○トになってしまった。
一般的な魔術師では強化するどころか、効果ががた落ちした挙げ句、味は香辛料をぶちこんだサ○ミアッキだろう。
それと、スカウト検定?資格か?
「また今度実力を見せてくれ」
どうやらアクセリナは即戦力になってくれそうだった。
そうこうしているうちに昼食の時間になった。
「アクセリナ、虚数庫で運ぶから持っていくものを部屋の中央に集めて置いてくれ。その間に俺が昼食の準備をしておく」
「わかったわ。あなた料理できたのね楽しみだわ」
「男の料理だからな?あまり期待しないでくれよ」
「余った食材は隣のドリアード夫妻にあげるから、無理につかわなくていいわよ」
さて、短時間で作れるものはと頭の中で検索をかけながら食料庫を見て回る。
そして、傘の裏側が特徴的なキノコを見つける。
「これは…イグチか?」
10本程度のイグチがかごに入っていた。
うぉー!イグチパラダイス!!
まじで?!
イグチを豪華に使ったキノコパスタにしてやろう。
パスタを固めに茹で、味付けはシンプルに塩胡椒、トウガラシのみで、あとはサラダを器に盛り付ける。
俺流15分間クッキング完了。
「これはまた豪快ね?キノコとパスタのバランスが明らかにおかしいわよ?」
いいじゃんいいじゃんイグチおいしいよ?
「ええいつべこべ言わずにこれでも食らえい!!」
俺は自分の分のパスタを少量フォークに巻き付け、強引にアクセリナの口に放り込んだ。
「////あっ、美味しい!シンプルだけどその分キノコの味が際立ってる」
そうでしょうそうでしょう!!
だってイグチ様だもの。
ふふん、と俺は自慢気にしながらパスタに手をつける。
ん、んまい。
んますぎる!!
あっという間にパスタを食べ終えた。
何故かアクセリナが顔真っ赤だがなんでだろう?