緑のツンデレ精霊
伴侶?伴侶ってあれか、また俺の意思に関係なく嫁ができるってことだよな?
「ちょっと待て。俺は契約なんてしてないぞ?」
契約は双方の意志によって成立する。
「今は仮契約状態なのよ。でも契約出来なかったら、私もう契約の儀式ができないから一生独り身なのよ!」
俺は唖然とする。
「あなたを此処に連れて来るのに必要だったのよ!特別な意味があるって言ったでしょ。生涯でたった一人愛した人と契約しないとここには来れないのよっ!だから、私の伴侶になるのが当然なの!それとも助けてもらった恩を忘れるつもり?あなたが断ったら私、一生伴侶も契約も出来ないのよ!」
アクセリナが一気に捲し立てる。
「それに、ちょっとあなたのこといいなって思ってたんだから」
最後に顔を真っ赤にしてうつ向いてしまった。
なにこの精霊可愛い。
「でも、お前、俺のこと全然知らないだろ?本当にいいのか?精霊にとって契約は自分の命を握られるのに等しい筈だが…」
それにと続ける。
「俺はもう契約精霊がいるし、嫁も3人もいるぞ…本当にいいのか?」
「だから!その…いいって思ったのっ!この人ならって。あなたはどうなの?私のこと嫌い?」
そんなに涙目で…ぐっ!可愛い…キュン死しそうだ。
それに既に断れる状況じゃない…というか断わる意味も余りないが…嫁達さえ良ければ…って状況に流されそうだ。
ここは
「ここを出れるようになるまであと5日あるし、その時決めるっていうのはどうだ?俺も心を整理したいし、お前も俺のことを知ってからでも遅くないんじゃないか?」
逃げの一手だ
「まあ…そうね。クズ男に命を握られるのは避けたいし。あなたの人となりを知ってからでも遅くないのかも」
何か急に眠たくなってきた。
意志で跳ね返すことが出来ないタイプの眠気だ。
「すまん。少し休ませてくれ」
「ええ。今は休みなさい。次起きたときはあなたから求婚してくる様に、絶対私を惚れさせてみせるんだから!」




