流れ的にそんなことだろうなと思った
すうと心地よい感覚が体中に沁みわたってくる。
「く、すまない。ありがとう」
血を吐いて汚してしまった事に謝りつつ礼をいった。
「いやいいのよこれくらい。あなたが私にしてくれたことを思えば血くらいね」
「その液体は薬か何かか?それにお前に俺が何かしたか?」
俺は矢継ぎ早に質問する。
「ちょっと落ち着きなさい。また血を吐くわよ。それと質問はひとつずつお願い」
「えっと私が初めから状況を説明するから、わからないことがあったら最後におねがい」
「ああそれでいい頼む」
「まず私の素性だけど、蒼月湖の霊木に宿っていた大精霊のドリアード、アクセリナよ」
「あなた蛇の毒で死にかけていたのは覚えているわよね?」
「ああ」
あの時は死んだと思った。。
「あなた本当に死にかけていたのよ?むしろ即死級の毒を食らって生きていた方が不思議なくらいだったわ。それであの場所では手におえなくて霊木の回廊を使ってあなたをここ、精霊郷に連れてきたのよ」
「精霊郷に連れてきた理由はこの霊薬にあるのよ」
瓶の中身を揺らしながらアクセリナが言った。
アムリタ…アムリタだって?あの伝説の不老不死の霊薬じゃないか!!
「あ、ごめんごめん正確にはアムリタ・レプリカね。本来のアムリタの効果はないわ。それでもそれ、かなりの貴重品なのよ感謝しなさいっ」
踏ん反り返ってアクセリナが言う、ああっそんなに胸を張ったら美麗な膨らみが…
「何か邪な気配を感じるわ…まあいい、続けるわよ」
「で、このレプリカは精霊郷から持ち出すと効果がなくなってしまうのよ。だから私がここに連れて来たって訳」
ドリアードは気に入った相手を木に連れ込むということを聞いたことがある。
じゃあ何か?俺を気にいったということか?
「本来、精霊郷に連れ込むというのは特別な意味があるの。つまりその…そういうことよ。でも勘違い
しないでよね!私は助けてくれた恩でここに連れて来ただけなんだから!」
テンプレツンデレ来たー!!…助けてくれた恩っていうのはあの霊木のことだろう。宿っている霊木が枯れてしまうとドリアードは死んでしまうからな。
「えーっとなんだっけ。そうそう精霊郷と外の世界の時間の流れが違うってことは知っているようね?あなたがここに来てからまだ1日だけど、外はもう2か月たっているわ。それであなた、今の自分の体の状態を確
認して頂戴」
「……魔力の流れがおかしい。体もなんか不均一?バラバラだ」
「それはアムリタがまだ体に定着してないのよ。その状態で精霊郷から出ると確実に死ぬわ」
「…どの位で定着する?」
「あと…アムリタを飲み続けて、こっちの世界で5日くらいね」
…よかった。これで1か月とか言われたら恐ろしい事になっていた。それが外の世界換算で1年で済むのならまだ取り返しようがある。むしろラッキーだ、命を助けてもらったのだから。
「外と連絡が取りたいのだが?」
「もう大体のことは今の国王にレオンだったかしら?に伝えてあるわ。だから安心して休みなさい」
「あと言い忘れていたけど。…あ、あなた私と…そのっ!契約しているから大人しく私の伴侶になりなさい!!」




