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機甲魔術師の異世界転移  作者: タングステン風味
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続・新生活

翌日、検査で異常がないことが確認された俺は、晴れて自由の身になった。


「アクア、これからの予定は?」


「取り敢えずスティナ達と合流してから細々としたものを見に行きます。その後昼食。お昼を過ぎたら家具が家に入るので、それの指揮を取りに新居に向かいます」


「魔術関係の資材を買いに行きたいのだが?」


「でしたら昼食後に、スティナかアネッテのどちらかに案内を頼みましょう。こちらは2人居れば充分ですので」


「それで頼む」


俺達はアネッテ達を迎えに中央市場の外れにある喫茶店に向かう。


店に入ると4人掛けのテーブルにアネッテ達が座っていた。


「おはよう」


「「おはようございます。ショウさん」」


俺とアクアの分の紅茶を頼みつつ席についた。


「今後について話しておこうと思う」


バッドエンドにいかない為に、俺のスタンスを話しておかなければならない。


「俺は3人に平等に接していく。アクアを特別扱いしたりはしない。俺の身体は1つしかないから不満も出るとは思う。だから何か不満に感じたら隠さずに言って欲しい。皆で話し合って問題を解決していこう」


一息で俺はそこまで言って皆の反応を待った。


「私はマスターがやりたいようにやればいいと思います。決して投げやりになっているわけでなく、マスターの幸せが私の幸せですから」


スティナが少し考える素振りを見せながら言った。


「アクアさんが良ければそれでいいと思います。初めは何かと上手くいかないこともあるでしょうけど、よろしくお願いします」


「私もアクアさんがいいならそれでいいと思う。後から押し掛けたのはこちらだし、むしろその条件なら願ったり叶ったりだ」


ちょっと待ってくださいとアクア


「後から入ったとかはもうやめにしましょう?私にさん付けしたり遠慮したりするのも、私もアネッテスティナと呼ばせていただきますし」


アクアの意見に俺が同調する。


「皆もそうしてくれないか?そういうところから不満が溜まったりするし、呼び捨ての方が気安く相談とかしやすくなるだろ?」


「わかりました…わかったのお兄ちゃん」


「わかった。そうさせてもらう。これからよろしく、ショウ、アクア」


「前から気になっていたんだがそのお兄ちゃんってなんだ?」


スティナが顔を赤らめて言う。


「いやお兄ちゃんはお兄ちゃんみたいなだなって思ってて…お兄ちゃんって呼んだら駄目?」


その上目遣いで言われて断れる男は存在するだろうか?


「別に構わないよ。出来れば、お兄ちゃん♪かお兄様♪とか兄様♪でも一向に構わないよむしろそうしてくれ!!」


アクアがスパンとハリセンで俺に突っ込みを入れた。


俺が流れを変えるために言ったのが分かっていたのか痛みはそれほどなかった。








「あっこれ!!いいと思わない♪」


スティナが小物を差し出し聞いてきた。


やたらとピンクで可愛い時計だ。


「私はこちらがいいと思います」


アクアはまあ思った通り水色の時計。


「私はこっちかな」


渋い。お祖父さんと一緒に時を刻む様な置き時計だった。


「共有スペースに置くものは落ち着いた感じに統一しないか?」


このままではリビングが魔窟となってしまう。


「マスターがそういうなら」


「お兄ちゃんの言うことがもっともですね」


「一理ある」


よかった。来客が来てもこれで恥ずかしい思いしなくてすむ。


そんなこんなしながら小物や食料品、便座カバーまで色々買い、大きな荷物は新居に配達して貰うように手配した。


因みにお金はドラゴンからスティナ達を守った時の報酬金(100万円位)で賄っている。


「そろそろ昼飯にしよう。良い店を知っているんだ」


俺は女性3人の買い物に付き合わされへとへとになっていたし、時間的にはまだ少し早かったがお昼にすることにした。


「あら?ここ昨日来ましたよね?ランチもやっているのですか?」


「お兄ちゃんここに来たことあるの?結構通りから外れてるから知る人ぞ知るっていう店なのに」


湖の乙女亭


「そうだったのか?アクア、ここの食事は中々に美味しいから期待してくれ」


カランカランと来店を告げるベルが鳴る。


「いらっしゃいませ。あら蒼騎士様、昨日は良い剣をありがとうございました。息子も大変喜んでいました」


今日もやたらとスタイルのいい御上さんが席に案内してくれた。


まだ時間が早いのか人はそれほど入っていない。


「俺は日替わり皆は?」


皆それならと日替わり定食を頼んだ。


「お兄ちゃん、デザートにケーキ頼んでいい?」


このままでは上目遣いで頼まれたら駄目と言えない、駄目なお兄ちゃんになってしまう。


「頼んでいいよ♪アクア達の分も一緒に選んでやってな」


「ありがとうお兄ちゃん♪」


駄目なお兄ちゃんになるしかなかった。

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