サッカリンより甘い
「マスターあーんしてください」
「//それは流石に恥ずかしい」
念動力の魔術でアクアから食器を奪い取る。
アクアがぷぅと頬を膨らませている。
「意地悪です。マスター」
その様子を見たアネッテとスティナは呆然としていた。
「「出遅れた!!」」
「第一回家族会議を始めます」
参加メンバーは俺、アクア、アネッテ、スティナ。
「議題はこれからについてです」
アクアが進行を勤めた。
「まずは私、マスターのお嫁さんになりました」
「「知ってます」」アネッテとスティナの声が被る。
「まずはアネッテさん、何でマスターと結婚しようと思ったのですか?」
どうやらアクアは一人一人に結婚する理由を聞くようだ。
「私か?私はワイバーンに襲われた時に、ショウに助けられた。それでショウに恋をしたのだ」
俺はストレートに好意をぶつけられ戸惑った。
「それとな、ショウは寝るときに子供みたいにかわいい顔で寝るんだ。それにきゅんときてしまってな。ワイバーンを一撃で倒す様な圧倒的な強さとのギャップで、私はどうにかなってしまいそうだった」
ああ、わかりますとアクア。
「では次にスティナさんお願いします」
アクアがスティナに話を振る。
「見ず知らずの私達のために見返りも求めず戦ってくださいました。私がショウさんに惚れた最初の理由です」
「それにワイバーン、ドラゴンと強い魔物から私達を守ってくれて、まるで物語の勇者みたいだったの」
「あとひとつ大きな理由としてお父さんのこともあるの」
スティナの口調が微妙に変わってきていた。
「私にはお姉ちゃんが1人いるのだけれど、今お姉ちゃんは結婚相手を探しに外国に行っています」
それが今の状況とどう繋がる?
「お父さんの方針で、お父さんに勝つか、何か誇れる物を持った人としか結婚を認めないって。何か誇れる物のハードルが高くて後世に名を残すような芸術家とかじゃないとだめらしいの。わかっているとおもうけど、お父さんと戦って勝つのもお兄ちゃんくらいしか見たことがないの」
いつの間にか妹な嫁まで出来てました。
「この機会を逃すと多分お姉ちゃんみたいに行き遅れ…何か今背筋がゾクッとしたの。ともかく、お兄ちゃんは勇者みたいで格好いいし、性格も好きだし、何より私達を大切にしてくれそうなの」
「後はマスターの意志だけですが」
「アネッテとスティナのことは正直言って嫌いじゃない。むしろどっちかというと好きだ」
アネッテと、スティナの顔が赤くなる。
「でしたら、結婚式まで1か月ありますし、その間私達と一緒に生活して……そうですね、マスターとキスできたら結婚するということでいかがでしょう?」
「「その条件でお願いします」」
俺完全に置いてきぼりです。




