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機甲魔術師の異世界転移  作者: タングステン風味
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リゾート② 賑やかな食卓

「へえ上手いものねぇ確か…カザリキリだっけ?このウサギちゃんとかアオイだったら食べられないわよ、可愛すぎて」


今晩のメニューはイレーネさんが作った熊肉のシチューと熊肉の赤ワイン煮込み。僕が作った熊肉の味噌煮込みにオリーブと山菜のサラダ。それにご飯とパンがついている。


手慰みにサラダの上には野菜で作った動物達で一杯にした。


「見たことがない動物がいるわね?この丸っこい鳥みたいなのは?」


「…それはペンギンっていって氷や砂浜の上を腹ばいになって滑ったり、水の中でも飛ぶように泳いだり意外と素早い動物なんですよ」


「へえーそんな動物がいるのね。そのミソ煮込みもすごく美味しそうね。まあ、かなり大雑把に作っていたけれど」


イレーネさんは僕と違ってきっちり計量器具を使って料理を作るタイプだった。


「まあ、そういう作り方しかしたことがないですから。イグニスさん達の様子を見てきますね。釣果があればそれも料理して」


「ショー釣れた」


様子を見に行こうとした丁度その時、イグニスさんが両手で桶を抱えて厨房に入ってきた。

桶の中にはにゅるにゅると蠢く細長い魚。


「ウナギ?青ウナギですか?!うわあ初めて見ました!!それもこんなにいっぱい…」


「青ウナギ?確かに青みがかったウナギですが、そんなに珍しいのですか?」


「このウナギは汽水域で釣れる特別なウナギらしいですよ。すごく美味しいってお爺ちゃんが」


「へえそんなに美味しいの?でもウナギの捌き方なんて知らないから…ショウ君は捌ける?」


「普通のウナギなら捌いたことがありますからやれると思います。白焼きと…蒲焼きにでもしましょうか」


葵さんが持ってきたのか醤油やら出汁のとれる乾物の類も充実していたので蒲焼のタレも問題なく作れる。









「で、こんな量になってしまったというわけね」


食卓には、熊肉のシチュー、熊肉の赤ワイン煮込み、熊肉の味噌煮込み、青鰻の白焼き、青鰻の蒲焼き、オリーブと山菜のサラダ(飾り切りした動物達が所狭しとのっている)、それに白ご飯にパン、お姉さんたちの席にはワインに清酒と実に充実したメニューになっている。


「青鰻の白焼きは塩かわさび醤油で食べてくださいね」


「いただきます。あむ、んーっ♪美味しい。この大和の調味料を使ったお料理は翔君が作ったのでしょう?この蒲焼なんてお出汁も入ってあるし~翔君!!私のお嫁さんになってくれる?」


「あの、僕男なんですけど…ってちょっと!!」


葵さんは僕を椅子から立たせるとお姫様抱っこで僕を抱え込み、そのまま席に着席、膝の上に僕を座らせた。


「はい♪翔君あーん」


「え?ちょっと…あむ」


「はわぁぁっ~次は何を食べる?」


「アオイ貴方ってそんなキャラだった…わねぇ。昔から可愛いものを目にすると人格変わっちゃうんだから。あらショウの料理美味しいわ。イレーネと違って…そう、雑味があって。お酒が進むわぁ」


「ちょっとペース早いですよ?ほらお肉やお魚だけじゃなくてお野菜もちゃんと食べてください。ああ、もうせっかくお皿にとったのに端に避けないでくださいよ」


イレーネさんってなんかお姉さんっていうより…お母さんって感じがするな。


「私は蜘蛛だから野菜をとらなくてもいいのよ。ぷはぁーほら空になったからお酒注いで」


「もう、このペンギンさんだけでも食べてくださいね。ショウ君が切ったんですよこれ」


「はぁーショウに免じて食べてあげるわよ…あむ、あら美味しい…」


「もぐもぐ、葵さんそんなに口に詰め込まないでくらさい。もぐもぐ、ごくり。野菜って切り方で結構味が変わるんですよ?面白いですよね。ってイグニスさんもう少し落ち着いて食べた方がいいですよ」


イグニスさんはリスみたいに頬をパンパンに膨らませていた。


「らっれおいひぃ。もぐもぐ」


「イグニスさんほらお水を飲んでくださいね」


我らがお母さん役のイレーネさんがお酒を注いだり、お水を注いだり、料理を小皿に取ったりと、料理を食べる暇もないくらいに忙しいそうだけど、どこか嬉しそうだ。

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