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船の上では
短っ!!
「嬢ちゃんたちここは早く逃げねぇと!!」
「待って!!まだ、ショウ達が上がってきてないの!!」
アクセリナは叫びながら大きく揺れる船のヘリにしがみつき、海面を必死に探す。
「アクア?!」
魔術の泡に包まれてアクアが海面に姿を現す。
「えい!!」
船が大きく傾き海面が近づいたその瞬間、スティナが絶妙な鞭さばきとバランス感覚でアクアの足に鞭を絡ませ、気絶しているアクアを引き上げた。
「もう待てねぇ!!このままじゃ全滅する!!」
魔術推進機関が唸りをあげて、全速力で海域を離脱しようとしている。
「戻るんだ船長!!」
アネッテが船長に掴みかかる。
「駄目だ!俺はあいつにお前たちを頼まれたんだ!!引き返さねえ!!それに救命艇とやらがあるんだろう?!そいつに賭けるんだ!!」




