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機甲魔術師の異世界転移  作者: タングステン風味
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戦いの前の②

「…鼻血止まった」


興奮すると鼻血がでるとかどこのベタな漫画だよ。


気を取り直して遊ぶか!!


「海といえばバレーだな。皆バレーやるぞ!」


「バレーとはどういうものだ?前の世界とやらの何かか?」


狐耳がなにそれ?と耳をかしげていた。


「説明しよう。これはバレーといってもビーチバレーだが」


そう言いつつ海水で作ったバレーボールを作りだした。


「これは海水の表面に水魔術をかけていてな。こいつをっと」


ぽーんぽーんと水球を真上に打ち上げる。


「見ればわかると思うけど手にボールをキャッチした瞬間に、適度な魔力を水球に補給してやらないと水球が割れる。水を被ったら負けで、アクア!!」


ポーンとアクアに取りやすいような位置にパスする。


「はいっ」


アクアが見事にラリーを続けてくれた。


「こんなふうに他の人に回していくんだ。アクア、パス」


「で、この水球。魔力の供給はかなり繊細に流してやらないといけないんだ。流す魔力が少なすぎても衝撃で割れるし、流し過ぎてもこんなふうに爆裂する」


ばしゃん!!と水球が割れて俺は水浸しになった。


「ということで10分ほど練習してからゲームを始めよう」


「何か景品をつければ盛り上がると思いまーす♪」


スティナがはいはーいと生徒の様に手を上げて自己主張している。


「そうだな…一位になった人は俺にできる範囲で何でもいうことを聞いてやろう」


「「「「何でも?!」」」」


ギランと嫁達の目が一瞬光った気がする。


「あ、ああ(常識的な範囲に留めてくれる…よな?)」


嫁達に水球を渡すと各々練習を始める。


嫁達は流石の運動神経と魔力コントロールで一度も水球を割ることなく10分経過。


皆、うまいな。これならゲームになりそうだ。


「言い忘れてたけど肩より上の水球しか有効にならないからな。じゃあ始めよう!!」


まずは((ショウ))(マスター)(お兄ちゃん)から殺る!!


…何か嫁達全員が俺を睨み付けているのだが…


「始めるぞぅ。俺からいくぞ!!」


まずは小手調べで軽く水球を出してやる。


狙いはスティナ、水球はぽーんと緩く放物線を描く。


「アネッテ!!」


アネッテはスティナが水球を受ける前にジャンプ、横から躍り出る。


速攻?!


スティナが俺からの水球に魔力を補充すると?!か、鎌鼬が水球に纏わりついている?!


「食らえ!!」


アネッテが風魔術付の水球を頂点に上がりきるまでに俺に全力でぶち込んできたぁ?!!


ばしゅう!!と音を立てて水球が俺に迫ってくる。


「フォートレスゥッ!!」


中級の防御魔術で腕を覆いレシーブ。


アクアの方へ撃ち返した。


「…殺れなかった」


殺るって何?!


緩く弧を描いてアクアの方向に飛んでいく。


「アクセリナいきますよ」


アクアはわざと撃ちやすいチャンスボールを撃ち上げやがった。


「ショウ覚悟ッ!!」


水球が消えた?!


アクセリナが水球に触れた途端に視界から消える。


隠蔽か?!


目を閉じ感覚を研ぎ澄ませる…ここか!!


目に見えない水球を俺はしっかりと捉えスティナに撃ち返す。


4対1かよ!!攻める暇もねえよ!!


くそう、俺は嫁達が「きゃあ濡れちゃったぁ♪」とか「恥ずかしいからみないでぇ♪」とか、そういうのが見たかったのに、何でいつの間にかエクストリームバレーになっているんだ?!


ぱしゃん。


え?


俺はずぶ濡れになっていた。


アクアがしてやりましたとドヤ顔をしている。


確かに撃ち返した…な、何ィ?!


俺が撃ち返した球は俺が作りだしたものではない?魔力の質が違う。


すり替えられただとう?!


「お兄ちゃん脱落~♪」


その後は和気あいあいとゲームが進行し、一人また一人と水を被ってリタイアしていく。


俺はいじけたフリをして砂浜に座り込み、ローアングルから嫁達を観賞していた。


最後に勝ち残ったのは流石、水を扱わせたら右に出るものはいない、水精霊のアクアであった。


「やりました、やりましたよマスター!!」


アクアは俺に飛び付いてきた。


普段はこんなに積極的な感じではないのだが、テンションが上がっているのか、珍しく全身で喜びを表現している。


「むぐぐ、アクアふにふにして気持ちいいのだが、そろそろ離してくれ」


アクアは、はっと自分のやっていることに気付き、恥ずかしそうにしながら一つ咳払いをし、俺から放れた。


「こほん。ではマスター。今から一時間動かないで下さい」


「動かないで?ああ、わかった」


てっきり俺を独り占めみたいなお願いをするかと思ったのだが?


??何故に皆こっちににじり寄って来てる?…まさか。


「お兄ちゃんは共有財産だからね。皆で可愛がってあげるんだ♪」


「初めからそのつもりで協力してやがったな?!あっ、アッーーー?!」


俺は嫁達に埋もれた。

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