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第九十話:明日の予定【リーナ・ジーン編】

「ジーン! もう直った? 大丈夫なの?」

『うん、盗賊たちに壊されたところは、すべて完璧に修復してもらったよ。さすがユキさんに教えてもらった工場だね』

「本当に直ったの? 腕を動かせるだけじゃ、直ったことにならないよ?」

『安心して。ぼくからの要望通りに、工場のロボットは直してくれたよ。銃も出せるしナイフも出せる。ミサイルも出せるようになったんだから』

「いやいや、ミサイルはウソでしょ」

『……まあウソだね。さすがにミサイルは無理だった。頼んでみたけど』

「頼んでみたんだ!」

『これでまたリーナのことを守れるようになった。君には傷……三つくらい付くまでには、敵を倒してみせるさ』

「ちょっとちょっと! そこは、傷一つつけさせないって言うところでしょ!?」

『だってリーナ、君はいつも無茶なことばかりしてるじゃないか。高いところから飛び降りたり、がれきとか岩だらけの足場の悪いところを思いっきり走ったり……。数えたらキリがないけど、そのたびにケガしてる。大小全部含めたら、これまでどれくらい君がケガしたか、ぼくはちゃんと記録しているけど、聞く?』

「……変態」

『ええっ!? なんでそんなことになるの!? なにもエッチな言葉使ってないのに』

「とにかく、そういうことなの! 分かったら謝って」

『むむ……なぜ君に変態呼ばわりされているかまったく分からないけど、とりあえず謝るよごめん』

「全然謝られてる気がしない」

『もうー! じゃあぼくはどうしたらいいのさー! …………まあそんなくだらない話は置いといて、これからどこに行く?』

「話置いとかれた……。まああたしもいいや。とりあえず、南に行きたい」

『なんで?』

「ユキさんたちが北の方角に行ったから。あれだけ盛大にお別れしたのに、あんまり早く再開したら気まずいじゃん」

『そんなもの? じゃあ、今はもう夜中だから、この辺りに宿屋を探して寝泊まりするとして、明日から南の街に出発する?』

「ううん、明日はこの町でおいしいもの食べ歩きたい。ジーンが修理されてる間に、人間の職員にいくつかおいしいお店を教えてもらったの。せっかくお金いっぱいあるんだし」

『じゃあ、出発は明後日?』

「うーん、そうしようかな。でも明後日になったら、この町でやりたいこと増えてるかもしれない」

『それじゃ、しあさって?』

「分かんない! ねえジーン、最近はお金がなくて時間にも余裕のない生活してきたけど、少しの間だけのんびりと過ごしたいなぁって思うの。どうかな」

『いいかもね。ぼくも、新しい腕に慣れておきたいし、少しの間この町に滞在するのは賛成だよ』

「うんうん、それじゃ、今夜はもう寝る! 宿屋探そう!」

『探そう探そう!』

次話をお楽しみに。

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