申し込み
なし
なんのことはない
あれだけ悩んで
結局、サマーキャンプは
申し込むことにした。
何を一番悩んだのか?
それは、
2泊3日、交通費、諸経費込みで
6500円という金額
確かに世間一般で
2泊3日でこの値段は安いと思うが
現在の小遣い月1万円の
武男にとって
この金額は痛い
金がないというのは
こんなにも心に余裕がなくなるものだと
武男は、知った
たぶんに、結局は8月のこづかいは
サマーキャンプで
すべてを使い切るのだろう
とも想像でき、
近所の幼なじみ経営の書店で買う
漫画週刊誌も買えないのかと
ため息がでた。
もう一度、茶封筒をひっくりかえして
中を読めば
その催しは
お盆前の8月7日、8日
武男の住む県にある
国立青年の家で行われる。
去年武男は、仕事が忙しく
夏休みもそれにあわせて早くとることが
できなかったので
参加できなかった。
その後、武男は何回か青年教室に
参加したが、
青年教室で
武男のまわりでやたらと
男女で和やかに話すグループを
見たのも一つや二つでなかった
何か自分には入れない雰囲氣があるのも
感じた。
A4のプリントをみながら
そのことを改めて思い出した。
去年のその時点、サマーキャンプに
不参加という第一関門で
すでに武男は婚活に敗北していたのだろう。
やはり、この教室最大のイベントだけのことは
あったのだ。
そして、今年仕事がなくなって、参加できる
そこになんとも因果なものを感じた。
翌日から、8月のお金のなさに
一抹の不安をかかえながらも
武男は怠惰ながらも毎日のルーティーンを
こなし
そして、当日を迎えた。
なし




