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フリーペーパー

なし

思わず話してしまった


やたらと愛をイメージさせる

ピンク系の壁紙に囲まれた部屋

はじめは息苦しさもあったが

今は話して楽になったのか

落ち着く部屋に。


向かいに座る

かちっとした

バスガイドのような制服を着た

30代前半と思われる女性

さすがに場所が場所だけに

華やかさを用意し

胸元にリボンのついたワンピースに

スカート

薄い茶系でなごみの演出か

後ろに髪を束ね、眼鏡

眼鏡が高校教員をイメージさせる。

そして、リボンの隣のネームプレートには、

あなたの夢をかなえます

相談員 青池 不二子とある。


そうここは、結婚相談所で

無料お試し相談に申し込んだのだ。

いや近所のばあさんに申し込まされた。

上家、近所の新聞販売店

太めの何ものをも恐れない

久子殿。

「ちょっと、武男、

 いいのあったわよ」


フリーペーパーで、この相談所の

無料お試しの

案内をのせていたのだ。


しかし、結婚相談所事情も

大手ならともかく

昨今の結婚しない人たち

そして、

婚活でブームの結婚したい人たち。

しかしながら、

みんながみんな

すぐに駆け込むわけでなく

まあ、なんとかなるだろという人が多く

そんなにそんなに

お客でごったがえすわけでもないようだ


昔は、近所の世話好きばあさんが

うまく取り持って結婚を勧めていた

そんなのが自然に

有限会社になった。

そういったおばちゃんが

発起の弱小相談所


そして先ほどの、久子様。

歩くのもつらいのに

直々に届けてくれたのだ。

それは、翌朝、新聞とともに

配布のフリーペーパー。


さらにおせっかいな事に

届けてくれたその場で

らくらくフォン

携帯を取り出し、有無を言わさず

予約を取る始末。

はなから予定などないも

同然なので断ることもできず

ここにいたった。


そして、最初は雑談をとりとめなく

話していたのに、

自分の職業について聞かれた時

なんだかわからないが

今までの自分をかえりみて

思わず

話してしまった。

家に帰って

なんで泣いたのか

冷静に思いかえしてみれば


たぶんに誰かにそれを伝えたかった

いや、自分が話すことで楽になりたかったのだ

苦しんでたのか

自分は。



なし

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