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まぶしい朝

なし

夏がちかづき

太陽さんが出るのもはやくなる

まぶしい朝

今朝も

よくまあ飽きずにと思うくらい

駅前ロータリーに

はたらき蜂のように集い

せわしなく駅に向かう人々

夏休みはないのか


その群れをみながら

お金、時間、仕事、家庭

何が幸せなんだろうと

羊を数えるように

その言葉を繰り返す

そして

まったくもって

甘い砂糖になりえていない

このぼろ店の

そして、カウンターに

ほおづえをつきながら

遠くにロードをきざむ

はたらき蟻をみながら

まったく朝からやる氣なく考える


生きて行ければ、

食べていければそれでいいのか?

この問いは

ハロワーの頃から

考え続けている疑問

しかし通いをやめた今も、

もといやめさせられてからも

今までも

まったくもって

いっこうに答えがでない


いかんせん

リストラ無職の

そして

独り身。


時が過ぎる

午前中は

近所のばあちゃん4、5人が

うちの母さんに立ち話に来る以外は

まったくもって

誰もこない

これでやっていけるのか


突然、大音量がふってくる

「愛があれば何もいらない」

「あなたあ。まってえええ」

そして女が泣き叫ぶ。

去っていくのは、

ダンディながらも、仕事に失敗した男

敗者

まさに一路北に向かう

北の海辺に佇む

くさすぎる

昼のドラマ。


母は、せんべいをかじりながら

ドラマを見ている

まあ飽きることなく

不幸につぐ不幸

どこまで

女主人公を苦しめればいいのか

同じく

どこにも行くあてのない

行き場のない

店番くらいしか

することのない武男


ぼんやりしていれば

あっという間に午後

ドラマがはじまって

そういや

俺、メシくったっけっ。

くってなかったっけ。

昼を食べたか、たべないかも

わからなくなってきたか。

ちょっとやばい人。


まだまだつづく

テレビからの悲痛な女の声

茶の間からレジにどんどん

ながれてくる

昨今の昼ドラ


今どきこんなくさい台詞が通用するのだろうか。


お袋

この男は俺と一緒のわけ


っていうか

お袋

俺の方が実家を継いでてすごいんじゃないのか


母のドラマ視聴を被害妄想氣味に

感じる武男であった。




なし

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