スカビオサ
なし
「本日のメインイベント
私、ココ松岡が作る
渾身の一作とくと
ご覧あれ」
そう、歌舞伎役者の前口上のように
話しだし
先生は、花を集めはじめた
ピンクのインパチェス、大輪のレッドカンナ
ミニバラ、フォーエバー
ムラサキペチュニア
ピンクのトルコキキョウ
オレンジのダリア
この初夏の花々
それぞれが強烈な個性を発揮している
花々の競演
これだけの花がまとまるのだろうか
しかも強い個性派揃い
次に、先生、
樹脂製の大鉢に生け花のように
盛りつけていく
一度、先生、少しまよって
ちょっと考えて
メインをピンクのトルコキキョウにした
そのままでも花束として立派に
通用するトルコキキョウ
やや背が高いのと
花が固い印象をうける
これをどのようにアレンジするのだろうか
中央に背の高い
赤紫の色のいくつか
ききょう科やアカザ科の花々を配置していく
先生はしばらくして一つの花をとり
「スカビオサ、花の中央がもりあがる形の
ユニークな花よ、
覚えてそんはないわ」
受講者の中には
メモをとるものもいる
あの人は
そんなに有名な先生だったのだろうか
メモをとる人々よりも
私は花の名前から
スガシカオの曲を思い出されて
しかたがなかった
なし




