くにたち
なし
驚き連続の
くにたち。
青年の家。
外観はリゾートホテル
しかし
宿舎は
やはり
病院だった
部屋に6つくらいベッドが
整然と並んでいた
さすがに
部屋風呂
もちろん露天風呂などはあるべきもない。
部屋にたどりつけば
顔を初めてみる面々ばかり
落胆の面持ちで
窓辺のベッドに座り
窓の木々を見ている
帽子を取ったスキンヘッドに
みな恐れをいだくのか
誰も声をかけず
人氣殺到、窓辺の一等地は
あっさりと私の手に落ちる
それどころか
そそくさと部屋から出て行く
行く当てがあるのか
静かになった部屋にいれば
聞いたような
頓狂な声が
廊下からこちらにむかってくる
ああ、あいつか
腐れ縁
ガイダンス後
姿を消したと思いきや
役所も手をあましたか
部屋に疲れた姿で
現れたのは
やはり
朝井であった
扉などない
部屋の入り口に体を半身
寄りかかりながら
こちらを見て
力なく笑う
歓迎なのか嫌なのかよくわからない
まあこちらは
これで酒を飲む相手がいて
深夜のウィスキーがうまくなるか
こちらも力なく笑う
午後の講座は事前予約が必要だったらしく
対応した市役所の職員は
終始不機嫌であった
こちとら、金はないが
時間はいくらでもあった
しかし
代金を振り込んで
安心し
説明を読まなかったのが運のつき
どこもいっぱいのようだ
10分ほど待たされて
「ガーデニングなら受け入れ可能とのことです」
最後まで不機嫌なだみ声で言われた
しかしながら
私に選択の余地はない
なし




