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かえってきた男

お待たせしました。

今年2月以来、

ついにあの男がかえってきました。


とてつもなく

大きな入道雲が山の向こうに見える。

それにしても暑い。

夕方だというのに蝉もなきやまない。

蝉でなくて、蛙がないて

雨がきてほしい。

いやはや、今年も夏は暑かった。

そして、計画停電も痛かった。


しかしながら、こんなに暑くても

世間は動く。毎日、毎日。


ここには

毎朝6時過ぎから

頻繁に車が集まる。

見ていればだいたいは奥さんが運転。

そしてピークは、7時前半台。


車からだまって降りた人たちが向かうのは

花の都。大東京。

都会へ移動。


あっという間のラッシュが終わった7時すぎ。

駅前は急に閑散とする。

静か。

本当に水を打ったような静けさ。


ここは、

とある新幹線駅。

そして、その駅前ロータリー

新幹線駅といいながら

ここに高層の建物はない。

もちろん華やかな商業施設もない。


大都市と大都市の中間都市。

人口は、約5、6万人

新幹線開通当初、

都会への新幹線通勤。

それによる大都市圏からの移住者の増加を

県も市も大いに期待。

「商業活性化につながる、街は大きく変わる」

そういわれた

この機会に私たちも変われる。

そうみんな夢を持っていた。


しかしながら

ふたを開けてみれば

新幹線開通でいらっしゃったのは

大規模船艦とも呼ばれる

大ショッピングセンターの出店情報。

その噂に地元商店街は戦々恐々。

そんな開通当初。


そしてそれからはや数十年

人口増もつゆと消え

ご多分にもれず、郊外のバイパス線沿いに

大規模船艦は進出し

街は空洞化した


そんな取り残されたロータリー前

2階建て店舗。

1階は、コンビニ風なんでもや商店。

昔からの取引先からの商品を扱う。

文房具から、日用品、生鮮食品。お総菜。


普通のコンビニ、半分の間口

そして2階は、住宅。

築10年ちょっとで、

あっという間に

外壁がはげてきた。

開通当初の県の活性化対策。

その一環で

ロータリー整備とともに店舗も整備。

はやいものであれから10年。

祝 10周年。

なんとか店はつぶれなかった

しかしながら

会社に破れた男が一名

黙ってタバコを吸う。その後ろ姿、紫煙がさびしい。

郷愁がもろに漂う。


そうその名は、上 武男。35歳。

「仕事は、いつも戦いだ」の精神で日々精進。


勤めは、宅地及び住宅の販売。

ところが就職してから全くいいところなし。

市場は、リーマンショックのあおりを受け

日本市場もながらく低迷。

やっと地価が上昇に転じてきたかと

思いきや東日本を中心に大きな災害が発生。

時価上昇の要素がまったくない状況になってしまった


昔は、まめな性格もプラスに転じて

月に1、2件は成約ができたが

今は、物件の持ち込み。つまり、転売がほとんど。

しかも売れるに売れない。そんな状況。


そんなこんなでリストラに遭うのもはやく

今はしがない実家を手伝っている

上 武男

この続編もあり

前作、「婚活戦線異状あり」

全話 ややリニューアル。

こちらもご覧ください。

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