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8.棒をくっつける儀式(継承)
式の後、アダソン家の儀式が行われた。一本の杖棒が運ばれる。使用人が、慎重に、誇張なく進み出る。
これは支配の象徴ではない。“仕えられる側が増えた”という意味でもない。
杖棒は、この家の責任の系譜だ。家が守ってきたもの。家が守らなければならないもの。そして、花嫁がそこに加わるという証。
使用人が言う。
「この杖棒は、あなたがアダソン家の一員となった証です。そして——あなたにも責任が継承されます」
アラクネアはその言葉の裏を理解した。守られる側から、守る側へ。“名前”ではなく“役割”が変わる。
彼女は杖棒に触れ、静かに頷いた。
アレックスは何も言わない。ただ、彼女の隣に立つ。いつも通りの距離で。置いていかない距離で。




