表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
正法眼蔵  作者: Eliphas1810
80/94

正法眼蔵 示庫院文

寛元四年、八月六日、示、衆、云、

斎僧之法、もって、敬、なすむね

はるかに、西天竺の法を正伝し、ちかくは震旦国の法を正伝するに、如来、滅度ののち、あるいは、諸天の天供を仏、ならびに、僧に奉献し、あるいは、国王の王膳を仏、ならびに、僧に供養したてまつりき。

そのほか、長者、居士のいえ()より、たてまつり、毘闍、首陀のいえ()より、たてまつるも、ありき。

かくのごとくの供養、ともに、敬重するところ、ねんごろなり。

よく、天上、人間のなかに、極重の敬礼をもちい、至極の尊言をして、うやまいたてまつりて、飯饌、等の供養のそなえを造作するなり。

深意あり。

いま、遠方の深山なりとも、寺院の香積局、その礼儀、言語、したしく正伝すべきなり。

これ、天上、人間の仏法を習学するなり。

いわゆる、

粥をば、御粥、と、もう()すべし。朝粥、とも、もうすべし。

粥、と、もうすべからず。

斎をば、御斎、と、もうすべし。斎時とも、もうすべし。

斎、と、もうすべからず。

よね()、しろめまいらせよ、と、もうすべし。

よね、つけ、と、いうべからず。

よね、あらいまいらするをば、浄米しまいらせよ、と、もうすべし。

よね、かせ、と、もうすべからず。

御菜の御料のなにもの、えり(選り)まいらせよ、と、もうすべし。

菜、えれ(選べ)、と、もうすべからず。

御汁のもの、しまいらせよ、と、もうすべし。

汁、()よ、と、もうすべからず。

御羮しまいらせよ、と、もうすべし。

羮、せよ、と、もうすべからず。

御斎、御粥は、()ませさせたまいたる、と、もうすべし。

斎、粥、いれたてまつらん調度、みな、かくのごとく、うやまうべし。

不敬は、かえりて殃過をまねく。功徳をうること、なきなり。

斎、粥をととのえまいらするとき、人の息にて、米、菜、および、いずれのものをも、ふくべからず。

たとえ、かわきたるものなりとも、綴袖に触することなかれ。

頭、顔に触たる手をいまだあらわずして、斎、粥の器、および、斎、粥に手ふるることなかれ。

よねをえりまいらするより、乃至、飯、羮に、つくりまいらする経営のあいだ、身のかゆきところ、かきては、かならず、その手をあらうべし。

斎、粥、ととのえまいらするところにては、仏経の文、および、祖師の語を諷誦すべし。世間の語、雑穢の話、いうべからず。

おおよそ、米、菜、塩、醤、等の、いろいろのもの、まします、と、もうすべし。

米あり。菜あり。と、もうすべからず。

斎、粥のあらんところをすぎんには、僧、行者は、問訊したてまつるべし。

こぼした菜、零米、等ありとも、斎、粥ののち使用すべし。

斎、粥、おわらざらんほど、おかすべからず。

斎、粥、ととのえまいらする調度、ねんごろに護惜すべし。他事に、もちいるべからず。

在家より、きたれらん、ともがらの、いまだ手をきよめざらんには、手をふれさすべからず。

在家より、きたれらん菜、果、等、いまだ、きよめずは、洒水して行、香し行、火してのちに、三宝、衆僧にたてまつるべし。

現在、大宋国の諸山、諸寺には、もし在家より饅頭、乳餅、蒸餅、等きたらんは、かさねて、むしまいらせて、衆僧にたてまつる。

これ、きよむるなり。

いまだ、むさざれば、たてまつらざるなり。

これ、おおかるなかに、すこしばかりなり。

この大旨をえて、庫院、香積、これを行ずべし。

万事、非儀なることなかれ。

右、条条、

仏祖之命脈、衲僧之眼睛、也。

外道、未、知。

天魔、不堪。

唯有仏子、乃、能、伝、これ

庫院之知事、明察、なかれ、失、焉。


    開闢沙門、道元、示。


永平寺、今、告、知事、

自今已後、若、過午後、檀那、供、飯、留、待、翌日。

如、其麺、餅、果子、諸般、粥、等。

雖、晩、猶、行、乃、仏祖会下、薬石、也。

況、大宋国内、有道之勝躅、也。

如来、曾、許、雪山、僧裏服衣。

当山、亦、許、雪時之薬石、矣。


    開闢永平寺、希玄、印。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ