第六十一話 仲間の行方
じゃあたとえば。
「この手帳にある内容が本当だとして……その虚神兵団は……そんなもので、何をするつもりだったんだろう? このロンギヌスという人は」
「わからない。ただ、なにか大きな事が起ころうとしている」
「大きな事……」
「あの馬鹿共と合流できればいいんだが」
「あ、そのことだが」
ユダさんが小さく手を挙げて言う。
「マシューはパン屋を繁盛させていた」
「あの肉と酒しか脳にないひとり宴女がパン……? 妙だな」
「『究極のパンを作れるようになるまで船に帰るつもりはない』とのこと」
「もうあのアホほんま……ハハ、ジャリィ。俺の仲間やねん、マシュー。おもしれー女やろ。どうしようなア。ほんま……トマスとアンデレは?」
「アンデレは船を守りながら遺跡の発掘をしています。明後日の授賞式を終えたら合流できるらしいです」
うーん、ほのかに疑問。
「手配書が出てるのに随分と露出の多い旅団ですね。あんたはもう教師になってるし。授賞式て。なんか掘り当ててるじゃないですか」
「額見たやろ。みんな『いまの政府にそんな額出せる訳ない』って思ってるから捕まえようとは誰も思わんし、そもそも誰も俺らを捕まえられへんのや。初期の方ならまだ俺意外はみんな雑魚やったからチャンスはあったんやけどなぁ」
「いまはどうなんです?」
「みんなばり強い」
「はぇ~……ちなみに政府ってあの額出せないんですか?」
「出せるで。800兆くらいまでなら大丈夫や」
「マジか……ん? なんでわかるんすか?」
「ちょくちょく忍び込んで金盗んでたんだよコイツ。馬鹿だろ? 君はさ、こういう馬鹿にだけはなっちゃダメだよ。君に惚れてる……男か女かは君達次第だけど、惚れてる人を泣かせる結果になる」
「ユダっち泣かないから別にいいでしょ」
「死なすぞ。まったく」
僕が馬鹿になって泣く人いるかな? いねぇわ。
「気になって考えてみたんですけど、僕が馬鹿になって泣く人いませんでした」
「かわいそうすぎる。俺達がついてるよ」
「あの背の高い……2メートルくらいの軍服のコは? 君のことめちゃくちゃ見てたろ?」
「今も見てるしね」
「わかんないんですよ。僕、シモン……あ、親友のシモンっす。シモンが言うには、察しが悪いらしいんす。自覚あって、あんま顔の感情が薄いとマジでなに考えてるのか、みたいなのがわかんないんです」
「惚れてんじゃない?」
「『ジャリィくん、私は』の後が聞こえなくなったらマジ脈あり」
「こいつマジで『ロジィ、私は』の後に難聴になるんだよな」
多分その人の場合は本気で病気だと思うけど。
「とりあえずロジオさんのお仲間が集まれるようで安心っすわ。多分だけどこの人アホみたいに寂しがり屋でしょ」
「よくわかったね。知力は100くらいあるのかな?」
「敵ですか? 95です」
「じゃあ味方じゃねぇか」
「知力たっけー」
あんたが低すぎるんだ。なんだ30って。赤ちゃんの知力28くらいだからほんとにギリギリ赤ちゃんに勝ってる状態じゃないか。
「とりあえず、戻るか。授業中だしな」
「律儀ですね。僕このままサボりたいです」
「不真面目だなぁ……」
仲間行方(仲間由紀恵の亜種?)




