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第五十九話 病気

「でも、いきなりなぜ神が? それも邪神……邪神は此処に来る理由もないから来られないんじゃ?」

「理由を作られたんだなあ。……たとえば『悪意を持った第三者が無理矢理この世にこいつの何かを落とした』とか」

「それってどういう意味ですか?」

「ここら辺にあったよな、確か……なんだっけな」


 ロジオさんは何かを拾い上げながら、言う。


「そうだ、『光光会(こうみつかい)』のビル」

「ああ、それなら、ありますねぇ。ありますあります」


 光光会。光の満ちない世界に希望はない──という格言をやたらと掲げている組織だ。太陽神を信仰している。信仰するだけならまだいいけど、歪んでいるものだから嫌われている。前は学校にも手を出してきて警察といざこざを起こしていた。その次の週から、自分たちで出している雑誌に警察批判のコーナーが設けられたらしい。ライターがかわいそうだと思う。


 僕はロジオさんに連れられて光光会の基地に行った。

 扉を蹴破るロジオさん。


「邪魔すんで~」

「なんだ、君は!? 出て行きたまえ! 儀式の邪魔をするな!」

「邪神呼んだのお前らだろ」

「なんだとォ……確証はあるのか!」

「太陽十字の逆さ十字の懐中時計。たしか此処の紋章にもあったよな? 太陽十字の逆さ十字。ああ、ほら、獅子の隣にあるじゃないか」

「邪神を呼んだという確証はあるのか? と聞いているんだ! 邪神だぞ!? そんなもの呼ぶほど我々がイカレてると思っているのか!? 貴様も我々を病気だと言うのか! 心外だ!」

「いい歳こいて恥ずかしげもなく警察批判してる奴が病気じゃない訳ないだろ。殴る蹴る等の暴行を与えたやるから正直に『言』えやお前」


 ロジオさんの思想も強いように見えるのは僕だけでしょうか。

 やっぱりなんか全体的に老人みたいな人だよな~……なんだか、脳が……言っちゃいけないとはわかってるんだけど、脳がおかしいのかな。


「ちょっと強引過ぎますってなんか老人みたいだなあんた」

「ハハ! でも正解だ! 此処で邪神が発生した形跡がある! マイナスのプラズマが発生しているのが見えるか? あれは強力な力が空気を押して擦りながら出てきた証明だ」

「如何せん初めて見たので……」

「ちかみにマイナスのプラズマは学校から此処まで繋がっていた」

「そうなんですか……」


 見てみれば、確かに空気が揺れている。


「警察に通報するか? 男」

「いいや? 此処で殺す」

「は?」

「俺も悪人だからな」

「ちょっと。僕は善人ですよ」

「でも領主殴ったでしょ」

「殺しはしたくな~い~!」

「じゃあユダを呼んできてくれ。俺の部屋にいる」


 どういう関係なんだろう?


「わかりました」


 色恋だろうな。

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