第五十三話 生きることすら出来ないなら死ね
「はは、笑った笑った。やっぱ他人を煽るの楽しいな」
「病気ですか?」
「しかし【学習能力支配一型】ねぇ……」
ロジオさんが顎に手を当てて何かを考え込んだ後に、言う。
「俺の人生はさながら…………チートスキル【学習能力】を手に入れたできそこないは闇の世界を支配する…………かな」
「なんですか?」
「チートスキル【学習能力】を手に入れたできそこないは闇の世界を支配する、だな……」
「? 闇の世界はどこから出てきたんですか?」
「俺の人生……っすね」
卑屈な人なのだろうか、と考えた。
ロジオさんは、よほど気に入ったのか「チートスキル【学習能力】を手に入れたできそこないは闇の世界を支配する」と何度も呟いていた。
そう何度も「できそこない」なんて言うんじゃない、と思った。
「まぁ、原因はどうあれ、強くなれてよかったやんか」
「そうですけど、原因不明のまま強くなっても怖いですよ。せめてどうしてこうなったのかを知りたいです」
「探究心の塊か? 将来は探求博士だな」
探求博士ってなんだよ。
「とりあえず、あんまり根を詰めすぎたりして体調崩したりするなよ~頼むよ~。身体壊してまで強くなる奴は馬鹿だからな」
「でも」
「なんか文句でも?」
「僕は人よりもダメだから、無茶してでもついていかなくちゃ」
「うーん」
ロジオさんは唸ってから、頭の後ろを掻いた。
「まア、お前の生き方だから別に言うことはねーけどさ。さっきのも俺の持論だって頭の片隅に置いとくくらいでいいからさ。無茶してもいいけど身体壊しすぎるなよ。親御さん心配しねぇ?」
「いいんです。僕の両親……あの人たち、僕の事など見ていない」
「そう? じゃあ俺が心配だ。心労で今にもぶっ倒れちまうよ! ア~~~~今強敵に襲われたらきっと心労でぶっ倒れそうだから負けちまうなァ~! つってね。前途多難だよね。でもお前もまだ17歳! まだまだ苦しいことはあるぜ~! 最適解、選べるカナ!?」
「僕はいつも、選択を失敗しながら生きてます」
「人生の苦楽における選択肢に正解なんてないんだけどね。でもさア、俺思うんだ。ジャリィ。失敗した道すら諦める様な人間になっちゃいけないって。その点、お前はちゃんと生きてる! 偉い! ロジっちポイント1000ポイント贈呈! 10万ポイント貯まると俺と冒険できるらしい」
「誰も彼もそんな強く生きれないですけど」
「そーなん? でもまあ生きることすら出来ないなら死ねって思うけど」




