第五話 乱闘
手錠を外して、カンナギ商会の愛娘っちを助け出している間、ナラナビは頭を掻きむしって、導火線がバカみたいに長い爆弾を取り出した。
「点火ァ!」
「ズルい! 何も言わずに点火なんてズルい!」
「そんなのいいから逃げるよ腐れウンコ!」
「逃がすか! やっちまえてめぇ等!」
「「ラジャー! ドン!」」
盗賊の大群だ!
「まずい!」
「戦うよ! 腐れウンコは何もしないでそこにいて!」
愛娘っちが手錠に繋がっていた鎖を振り回して盗賊を薙ぎ倒していく。何もしないでとは言われたけど、そうは言ってらんないらしい。ナラナビが導火線がバカみたいに長い爆弾を投げた。愛娘っちを殺す方向にシフトチェンジしたらしい。導火線がバカみたいに長い爆弾は単純に鉄の塊だから当たればただじゃ済まない!
「させるか!」
当たりそうになったところで地面を踏み締めて爆弾をキャッチして、踏み込んだ足を軸に回転しながら下っ端盗賊に投げつける。顔面に当たっちゃった!
「誓ってないからセーフかな」
「よそ見したな! これが盗賊の戦い方だ!」
ナラナビが剣を振るう。左腕をかけてガードしようと構えると愛娘っちが鎖で剣を弾いた。
「女ァ!」
「愛娘っち!」
「誰が愛娘っちだ! これで貸し借りなしよ!」
「もっと貸すしもっと借りるかも! さっきの踏み込みで右の腱イっちゃった!」
「も~~~~~~~~! 腐れウンコ~~~~~~!」