第四十九話 ホープ
ロジオ・〝ホープ〟・ニューゴッドという人が別の大陸からやってきた。どうやら、話を聞くと、船で移動していた際に財宝狙いの海賊に襲われ、運悪く台風と海底火山の爆発に巻き込まれたせいで仲間たちとはぐれてしまったらしい。
「お前、名前なんや? 憶えといたる」
「僕ですか? 僕は……教えていいんですかね?」
「ええんちゃうか?」
「そうですね。僕はジャリィ・〝ホープ〟・シルクゴッドって言います」
「ほなシルクゴッド。ここらで情報がようさん集まる所とか知らへん?」
「仲間と合流しようって腹積もりですね。うーん。そういうところは知らないけど……学校はどうだろう?」
「俺ァこう見えて生徒になる程の歳でもねェよ」
「僕が通ってる学校は、外からいろいろな人が来るから、その都合でいろいろな情報が集まるかもしれません」
僕がそう言うと、ロジオさんは「ええやん! 気に入った!」と喜んだ。僕はロジオさんを学校まで連れていった。先生に事情を話すと、校長室に連れていかれて、僕はそのまま寮に戻る。しばらくすると、寮の扉がノックされて、そこに、教員服を着たロジオさんがいた。
「雇用してもろたで。お前のおかげで、最新の情報も俺に流してもらえるようになったわ。えらい厚い対応やなあ」
「校長先生はいい人だから」
「にしても驚き。まさか俺が教師とはね。ロージロジロジ! 驚きロジねぇ」
「ハハァ……」
どう反応すればいいのか……。
「なんやお前。ノリ悪いのォ。せやけどお前は俺の恩人や! 優遇したるで」
「堂々と依怙贔屓は、ちょっとまずいですよ……!」
「んーままええわ! これからは戦闘訓練の授業の副担当のニューゴッド先生って呼びや! ロージロジロジ! 生意気なガキをシバいたるで!」
「あの、みんなだいたいレベル60はありますけど、えっと、ロジオさんのステータスっで……?」
「見るか? ええで、ほら」
ロジオ・〝ホープ〟・ニューゴッド レベル5800
腕力 6700
脚力 6700
知力 30
器用 200
スキル
UR【学習能力】★★★★
「えっ!」
「レベル5800は初めて見たかな? すまんのォ~! 『強者』すぎて! タッハー! 『強者』すぎてつれー! 『強者』すぎてつれー! わら!」
「あの、【学習能力】って……ユニークシリーズの【学習能力】であってますか?」
「それしかなくね? 算数ドリルじゃないんだぞ」
あれ、変なイントネーションがなくなった。
「イキッてだいぶ落ち着いたわ。そんでどうした?」
「あの、これ……僕のステータスなんですけど……」
ジャリィ・〝ホープ〟・ニューゴッド レベル2
腕力 75
脚力 75
知力 95
器用 69
スキル
US【学習能力】
「あっ、同じスキル……だけど、変だな。同じユニークスキルが同時にふたつ存在している……それに、星がない」
「あっ、星がないのは……僕の【学習能力】が第零段階だからです。そもそも! 【学習能力】は例え段階が上がっても『学習するだけ』の能力なんて、使い道が無さすぎる……ですよね?」
「そんなことないよー。めちゃくちゃ有能だから。めっちゃチートスキルだから。信じてみぃ。こいつは必ず応えてくれる」
「はぇ~……」
話半分で受け取っておこう。
「そういえば、塔の財宝? なんて持ってる人がいまさら冒険ですか?」
「世界にゃいろんな人がいるぜ。色恋狂いの馬鹿シスターとかもいる。あいつ狂ってんよ。あいつ俺と俺の仲間の一人が恋仲だと信じて疑わねー。まーでも冒険ではねーな。確かにね」
「何が目的なんですかね」
「俺の前世、有名な聖人なんだけど魂がぱっかん真っ二つになって、それぞれ別の人間に転生しちまったらしくてなあ。もしかしたらお前かも!」
「転生なんてありえるんです?」
「お前3年前の犯罪者の処刑中継見てなかったの?」
「なんです? それ」
「大陸間の距離が開きすぎて情報が伝わってねーのか……まぁなんでもねーわ。わすれて!」
「わかりました。では、しばらくはここに滞在さて、その半身探しも並行して行うんですね」
「そゆこと。なんかあったら教えてな。おやすみー」
「あ、はい。おやすみなさい……」
ロジオさんは去っていった。




