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第四十四話 楠

 という事があり、試しにお手紙を出してみたらお堅い文章で「いいよ」という返答と入国許可証を貰えた。


「骨折り損じゃない?」

「損はないでしょ。結果的に知力高そうなアンデレっちが加入してくれたんだから。そんなことよりさ、飯めっちゃ買い込んでおこうぜ。3000万もありゃいろいろできんだろ」

「何する気なの」

「バーラ王国でやれることは全部やるつもりだけど」

「うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん。そういうとこ好き」

「俺も。こういうところ好き」

「無敵か?」

「負けたことはなくね?」

「いっぱいありそう」


 バーラ王国の入国審査所に向かう俺達の船。甲板に出て風に当たる。うーーん、疲れた。眼鏡なんかしちゃったりして。黒目だからみんなの視界に合わせるとすぐに視力悪くなっちゃうんだよね。こんな身体に生まれたくなかったな~。


「あ、いたいた。ニューゴッド!」

「およよ。ユダっち。なんぞな」


 眼鏡を外して、やってきたユダに笑顔を向ける。


「どったの?」

「教会から手紙がきてた」

「そっかー。どうだって?」

「秘宝集めが終わったら一度話したいって」

「マジ? ヒーローインタビューかもしれねぇ」

「君の魂の形を調べたいらしい。もしかしたら『イエス・キリスト』じゃないかもしれないって。教会のお偉いさんが、君の言動の荒っぽさを見て、『こいつ本当にキリストか?』って思ったらしい!」

「マジィ? 俺が格好良すぎるってこと? キリストよりもぉ? まぁキリストがどんだけ格好良かろうと俺はいつだってそれを超越するぜマジで」


 ムフーと笑ってみせる。


「要件はこれで終わり。……雑談しない?」

「マジ? それってお誘い? いーよ!」


 欄干に肘をつく。


「君を見てて、少し疑問に思ったことがあるんだ。君の生き方、まるで誰かの模倣みたいだなって」

「えー? わら。マジ?」

「気を悪くしたらゴメン」

「いいって。……昔さ。まあ、昔っつってもたかだか数年前。日記帳も数冊遡れば読めるくらいの昔。革命軍にいたんだけど、そこである男に出会ったんだ。これ、そいつの真似~」

「その人ってのは?」

「実は革命軍よりも前にも出会ってたんだ! その人、もともと盗賊で。俺が世界貴族のガキだっつーからさらったんだなあ。でも、その人本質はいい人だから人質にして身代金ゲットっつー計画は失敗」

「盗賊だったんだ」

「経歴的には盗賊→革命軍→盗賊。変っしょ。ちなみに俺は奴隷→革命軍→世界貴族→秘宝探しマン。俺の方が変じゃんね」


 口が滑る滑る。引かれてなきゃいいね。まぁ俺顔いいしね。知ってた? ちょっと欠点あっても顔が良けりゃかわいいポイントになんだよね。イケメンでよかった~! ほんまごめん。


「俺レベル上がんねーし、ステータス上がんねーから、みんなから〝怠け者〟って言われてたし、戦えないから後ろの方で震えてたら『戦わない卑怯者め!』って石投げられたりした。すっげー嫌われてたんだけど……その人は俺の努力認めてくれて。『お前は卑怯者なんかじゃねぇさ!』って言ってくれて。それどころか戦いが激化して、そんでもって俺が突発的に『全員助けたい』っつーと、すっげー嬉しそうに『ついてこい』って言ってくれて。俺もすっげー嬉しかった」

「すごいいい人だ」

「そうなんだぜ~。へへへ」


『逃げるなロジオ……! お前だけは殺してやる! 腹立つんだよお前! お前の一挙手一投足が腹立つ! 殺してやる! クソ! クソ!! 卑怯者! 卑怯者め! ロジオ・〝ホープ〟!』


「その人は途中で糞みたいな人間になっちまったから……俺がその人の真似して……気持ちいい世界で生きるんだ。俺、今のその人大嫌いでさ。だからどっかでその人が見てんなら、『ついてこい』って言いてーの。わかる?」


 俺、革命軍にいた頃のあの人の事なかったことにしちゃったから、ごめんなさいっても言いてぇ。欲張りはダメだけど今度は決着つけたい。俺が勝っちまうだろうけど。


 つまるところ、またさらわれたいっすよ~。


「回りくどい恩返しって訳だ。いいね、そういうの」

「だろ。俺に恩売っとくと良いことあるぜ」

「ハハ」


 そんなことより、なんか風が気持ちいいっすね。


「今日の夕飯どうすっかなー」

「材料はあるしテルックとか」

「いやー俺レシピないと失敗すっから……前飯ぶっつけ本番で失敗してからトラウマなんよね」

「僕が作ろうか」

「マシューめっちゃ食うぜ?」


 何処に入ってんのかわかんねーくらいにめっちゃ食う。


「教会にいた頃に80人分のご飯作ってたから大丈夫だよ。ビーフシチューとかどう?」

「あー…………」

「やめとこうか」


ぴとりと、手が触れる。俺の手に。


「ピャッ!? 敵!?」

「ごめん、震えてたから……」

「びっくりしただけだョ」


ヒョエー……ビビったー。心臓バクバクしちょる。

ナラナビと主人公の煽りの毛色、似てた気がしない?

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