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ニ.n回目の共同作業(2/3)

 キルステンの攻撃に、バージェスが滅茶苦茶に触手を振り回しながら耳をつんざくような悲鳴を上げた。



 ギイイイイイッ!



 ゴムのように硬くブヨブヨとしたバージェスの外皮が、高熱を帯びた特殊な(やいば)によって切り裂かれてジュウジュウと煙を立てている。


 大気に触れると発熱する性質を持つミアプラ原産の希少鉱物・ペレライト。これを加工して造らせたキルステンの短剣は、何ら動力源を必要とせず水陸両用で使用可能な、極めて優れた対バージェス用の武器なのである。



「……ミアプラ王家に代々伝わる水陸両用格闘術〈クランツ〉か。何度見ても惚れ惚れするぜ」



 青褐色と黒色の縞模様の下半身と、煮えたぎるマグマのようなオレンジ色の輝きを放つ2本の短剣。その見事なコントラストに、俺は0コンマ1秒だけ呼吸を止めて魅入ってしまう。


 人間の上半身とウミヘビの下半身を持つ、ウミヘビ型ミアプラ人、キルステン・フォーゲルストレーム。俺の太腿を2つ合わせたよりも更に太い胴体を力強く(しな)らせながら、怒りと激痛に暴れ狂うバージェスの外皮を迅速かつ的確に切り裂いていくその姿は、どんな地球上の生き物よりも勇ましく、そして美しい。


 本音を言えばじっくりと網膜に焼き付けたいところだったが、生憎と今は戦闘中。俺は水上オートバイのエンジンを停止すると、電撃三叉槍(さんさそう)の電源を入れて臨戦態勢をとった。

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