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エピローグ
秋口の潮風が、俺とキルステンの間を優しく吹き抜けていく。
「鉄火、準備はいい?」
バージェスを見据えながら、キルステンがペレライトの短剣を両手に構える。その横顔には、俺を子供と侮る感情は一片たりとも見られない。
(大丈夫だ、着実に前進している)
俺はバージェスに斬撃を浴びせる想い人の勇姿を目に焼き付けながら、電源三叉槍を握る手に力を込める。
(いつか必ず、彼女の胸を射止めて見せる!)
俺は力強く頷くと、雄叫びを上げながらバージェスに飛びかかったのだった。