十.明かされる真実(2/3)
惑星ミアプラと地球の間に次元を超えた通路が開かれるのは、今回が初めてではない。
ある時は北の山野と、またある時は南の海と、異なる宇宙に存在する2つの惑星は幾度となく繋がってきた。ミアプラ人たちが地球の生物に似た特徴を持っているのは、こうした理由による。
しかし、今回の「接続」はこれまでとは大きく異なっていた。一方通行ではなく行き来自由になった上に、バージェスたちが大挙して地球の海に押し寄せた。原因については諸説あるらしいが、ここで肝心なのは、ミアプラ人がこの事態をどう捉えたかという事である。
ミアプラ王国の有力貴族でありエレミヤの母親でもあるミリヤ・ベックは、バージェスを利用して地球の海を支配するべきだと強く主張した。
彼女はミアプラ王に対し、ベック家が支援する研究機関がバージェスを制御する方法を開発したと言ってのけた。
『文献や伝承、そして調査隊の報告から、地球の知的生命体は全て陸生生物であると断言できます。違う惑星と言えど、海洋においては、我らミアプラ人に屈服せざるを得ないでしょう』
しかし、それに異を唱えたのがキルステンの母親、ウッラ・フォーゲルストレームだった。