4回くらい同じミスするとミス自体より自分にムカつくよね
彼女が地面にコートを落とした瞬間、内ポケットや外ポケットの全てから軽石が幾百か零れ落ちた。その軽石の一部を目の前の敵は私の方に蹴りつけてきた。
……軽石?擬似的な防弾チョッキとしての運用を目的としたのか?だがこの軽石の配置……
──まるで私を取り囲むように置かれてるような。
そう思った時にはもう遅かった。周りの軽石が全て浮いた。
……無茶苦茶だ。数無制限の物体のコントロールだって?私の生成(小)に比べて強すぎる。バランスが狂っているとしか思えない。そんなどうにもならない状況に対する愚痴が尽きた頃、全方位の軽石が猛スピードで迫ってきた。顔付近は腕で辛うじてガード出来たが、胴体はダメージをモロに受けている。
たとえ軽石とはいえあのスピード、あの数の物体が突撃してくると無事では済まない。呼吸は絶え絶えになり、脂汗が額に浮かぶ。
「やっぱ一撃で仕留められない分不便ね、この能力。戦闘不能になる訳でもないし。まぁ操れる数に制限がない所は合格だけど。」
……やはりコントロール数は無限だったようだ。
「こんな小石でもたくさん集まるとなかなか痛いでしょう?」少女は悪魔のような笑顔を浮かべながらゆっくりとこちらに近づいてくる。私に当たって地面に落ちた軽石が再び動き出した。
──2発目が来る。そう直感的に理解した私は生成(小)を使用した。