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3時台がいちばん眠いしお腹空く

私は目の前の強敵に向けて純度の高い砂を投げつけた。細かい粒子が彼女の目を襲い視界を奪う。

「…!この卑怯者!」

少女は目を押えながら舌打ちで殺意を剥き出しにする。

……悪いけどこれぐらいしないとこの能力じゃ勝てないんでね。この能力を寄越したヤツに文句を言ってくれ。

悪態をつきながらも次の作戦を考えるが、全て現実離れしている。かと言って、現実的な作戦は彼女の首元に拳ひとつ分届かないどころか致命傷にすらなり得ないだろう。

「あんた…どうやら本気で殺して欲しいみたいね。1人目では試せなかったこの力、あんたで研究させてもらう!」

どうやら彼女はこれが一戦目では無いらしい。道理で好戦的なわけだ。普段から妄想に取り憑かれている私は特別取り乱すこともなかったが、彼女が変に冷静だった理由が分かり焦燥の材料がひとつ増えた。

つまり彼女は既に1人手に掛けている。つまりある意味吹っ切れているのだ。あと何人やっても変わらない、どうでもいいという思想は恐怖という感情を奪う。怖いものがない人間は無敵だ。何をすることにも躊躇がない。つまり、彼女の目くらましが晴れた瞬間に死ぬ可能性だってゼロじゃないわけだ。いや、死ぬ確率の方が高いまである。

……もう時間は無い、無理な作戦でも通さねば自分が死ぬだけだ。そう覚悟を決めた時。

「やっと死ぬ覚悟が出来た?時間稼ぎお疲れ様。そのおかげで貴方が生きていられる可能性は0になったわ。まぁ元から生かす気はなかったけど。」

こめかみに青筋を立てた少女は似つかわしくない厚着を地面に落とした。制服姿の彼女は想像していたよりよっぽど華奢な身体だった。あのコートは相当厚い素材なのだろう、そんな私の予想はすぐ裏切られる結果となった。


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