最終話 空から全裸が降ってきた!
漫画の見開きみたいなの表現したくて、途中縦に読むところあります。
ない文才は、小テクでごまかせ!
最終話になります。
小説を書き始めてから約半年、この話を投稿し始めてから約3か月。
読んでくれた方には感謝しかないです。
この最終話とエピローグの二話で完結になります。
もう少しお付き合いください。
最終話っぽくないサブタイだって? なんだ?喧嘩するか?
□□□
倒したいとは欲望。
欲望とは即ち可能性。
人間よ、自己であれ。渇望せよ。
励みなさい、進みなさい。
いつまでも魔法は汝の傍らに。
……何ですか。
いいじゃないですかこういう時は人間側を応援したって。
どうせ人間は……
まあ、いいです。
もう誰も絶望などしない。
その歌は確かに人々に希望を勇気を、そして――
戦う力を与えた。
まるで奇跡の歌だと誰もが思う。
魔法とは《想像の具現化》である。
無から有なんていくらでも出る。
想像するもの、そのすべては叶う。
それが奇跡?
いいや。それが魔法だ。
気を失ったリートは【慈愛の恩寵】に運ばれていく。
リートには聞こえていないとわかっていながらも、その惜しみない拍手はしばらく止まることはなった。
国民達は固唾をのんでスクリーンを凝視している。
その瞳には絶望の色は無く、希望に満ちた表情で見据える先には壁の上に立つ2つの人影。
二人の英雄。
相対するは異形の竜。
かつて かつて
最強がいた 最強がいた
平和の象徴と呼ばれ 世界を平和にしようと
誰もが憧れる 一人で奔走した
最強が 最強が
魔法とは《想像の具現化》である。
想像するは 想像するは
最強の姿 最強の姿
創造するは 創造するは
最強の自分 最強の自分
優しき兄を 命の恩人を
思い浮かべ 思い浮かべ
この身に宿す この身に宿す
強靭な肉体を 鱗を纏った体を
手に斧を 背に翼を
ノアは ジョーは
憧れを超え 遺志を継ぎ
必然に起きるが進歩ならば
求めて起こるが進化である。
今宵 今宵
最強を超える 最強を超える
全身に身体能力強化の魔法を纏ったノアは勢いよく壁からジャンプする。目指すは空を舞う異形の竜。
……うん。
パワーアップしたからってそんな都合よく、すごい跳躍力でドラゴンのところまで飛べるわけないよね。
壁から数メートル飛んだところで、ノアは真下に落下する。
やばいやばい助けてぇ!!!
落下中のノアを巨大な何かが受け止める。
ノアはふふっと笑うと、その鱗を纏った背を撫でる。
「イメチェンしたのか? ……ジョー」
返事はない。
しかし、螺旋の角を二本天に伸ばした頭がノアには少し頷いたように見えた。
「行こうか」
ノアを背に乗せ、黒銀の竜は異形の竜の放つ攻撃を全て紙一重で躱しながら肉薄する。
気づいてるかわからないけど……いてっ!
ギリギリで避け過ぎて……あいたっ!
俺になんぼか攻撃当たってるからね……おべっ!
力自慢の兄がいた。
あの豪快な笑い方も、にぎやかな毎日もすべて二度と戻らない。
それでも前に進み続ける。
兄が生きたかった平和な世界のため。
「シャインメイク。憧憬の……いや、平和の斧!!」
追い越していく、戻らない憧憬。
いつまでも憧れのままじゃ――超えられない。
終焉、破滅、災禍、敵がなんでも諦めないやつがいる。
人も竜も死神も関係ない、その勇気に俺は力を貸すよ。
神にもこびず、魔にもくだらず、己を信じた人間の到達点。
刮目せよ。この一撃を!!
異形の竜の上を飛ぶ黒銀の竜の背からノアは飛び降りる。
光の斧を携えて。
「輝斬・断竜!」
災厄を断ち切らんとする光の一撃が異形の竜の頭を捉える。
…………………………?
ぜんっぜん効いて無くない!?
一応本気出したんだけど!!
そういやパーティで一番弱いの俺だったわ。はは~。
こんなことなら鶏肉とエニを引っ張ってくるんだった!
……いや、大丈夫か。
ジョーは竜の姿になった時からぐるぐると思考していた。
竜を模した魔法や竜の姿で挑むなんてやり方が全部、人は竜に劣るって証明してるみたいなものではないか。
人間の弱さを否定はしない。
地球でもそうだったから。
恐怖、怒り、嘆き、すべて足しても、竜には届かない
だから、だからこそ。翼を鱗を最強の姿を捨て、人間の姿で竜に抗おう。
これが人間の意地だ。人間の可能性だ。
ジョーは壁を超えるときヒカリに言われたことを思いだす。
『思い出してジョー君!! 初めて会った時のこと!!』
言われるまで忘れていた。地球での記憶。
『この命の寿命は大体こんなもんって決めてるだけで基本はほったらかしだね』
『私の力も少し貸すんだしお願い!』
『死神の力を得た君よ、君が主人公ならどうする?』
10年も前のことなのに昨日のように記憶が蘇る。
「なんで忘れていたんでしょうかね……」
人間の姿に戻ったジョーはまっすぐに異形の竜を見据える。
(あの時はドラゴンを倒すなんて無理だと思った。でも今なら……!)
想像するは命の恩人。
創造するは死神の鎌。
目指すは自分が暮らしたかった平穏な世界。
異形の竜の瞳に映るは自身の体躯に匹敵する大きさの麗しい黒銀の鎌。
それを持つは巨大な岩の腕。全裸の人間。
死を悟った竜に抵抗はない。
聞こえる死神の足音。
振るわれるは絶死の鎌。
黒銀の鎌は竜に触れるとスーッとその巨体をすり抜ける。
竜の瞳からゆっくり光が失われる。
「平穏のためお命頂戴します。あなたの命は廻ります」
風に乗り、命をそっと運ぶ。
命が廻り、新たな時代の幕開けと共に日が昇る。
寿命を失った竜は力なく落下し、ノアを追い越し地面に落下する。
「……助かったぁ」
その竜の腹がクッションの役割を果たし、ノアは無事に地面に着地して、空を舞う親友を見上げる。
「それにしても、やるなぁジョー……うおわぁぁぁ!!」
竜になった影響で服が霧散した全裸の主人公が一直線にノアに向かって落下してくる。
「ノアさん! 助けてくださいぃぃ!」
竜が死んで、竜の魔法で造られた岩の壁は光の粒子と共に消え、その姿は朝日に照らされキラキラ輝いていた。
――キモいって!
その姿を見て誰もが笑う。
誰もが夢見た、笑顔で満たされた明るい世界はすぐそこまで来ている。
□□□
遍く物は赴くままに。
日が沈み、命が絶え。
日が昇り、命は生まれる。
時が齎す、廻る廻る螺旋の時代。
過ぎ去りしものを追うなかれ、新しきものを抱くべし。
さあ、新たな時代の幕開けです。
さっき言いかけた話はなんだって?
今神様っぽい事言ってる最中なんですけど……。
まあ、ここまで見てくれたんですから特別にお話ししましょう。
……長い人間の歴史の中で命の価値は移ろいできました。
命以上に価値のあるものが存在すると言い、戦争を始め人類は滅亡し、
命に優るものは無いと言い、戦争をやめ繁栄してきました。
何千年も、何万年も。ずっと。ずっと。
繁栄、滅亡、繁栄、滅亡、繁栄、滅亡――――
この地で永劫に繰り広げられた滑稽で愚かなサイクル。
螺旋の時代を繰り返してきました。
私は学びました。人間は学ばない生物なのだと。
そしておそらくこの時代もそうなのでしょう。
ありもしない平和を探し続け、それを欲す。
戦争の理由は古今東西「何かを手にするもの」にあります。
長くなりましたね。言いかけた事ですよね。
どうせ人間は自分たちで勝手に滅びるんです。
魔物に襲われようと何をしようと。
でも、平和な世界を見るのは好きです。
人間が自分たちで掴んだ平和が長く続けばと願っています。
それが作者でしょ?
自分の創ったものは自分が一番愛さなきゃ。
どうせ滅びるからというのは、愛さない理由になりませんよ。
この世界をもう少し見ていくんですか? 物好きですね。
まあ、それでも見るなら止めはしませんけど、そんなに見ても――
――ポロリなんてありませんよ?
こいつ無理矢理はなしまとめたなっていうのは禁句ね。
箇条書き戦闘シーンいかがでした?
作者の文才の無さが顕著に出ただろう?
次話、エピローグ。
この後すぐに投稿するね。
感想、評価、感想、評価、感想、評価――
永遠に続く、欲望の渦。
作者はいつまでも、ずっと。ずっと。それを欲す。




