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最強を殺したドラゴンを倒したいと思います  作者: 加加阿 葵
第二章 最強の称号、暗雲の予兆
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第十八話 英雄はその中で何を見る


 最近寒すぎて何もやる気出ない。

 まあ、暑くても出ないけど。


 誰にも読まれなくても更新するよ俺は

 更新です。



『皆さんお待たせしましたぁ! さっそく二回戦第三試合を始めるぞぉ!』

『選手の方が入ってきました♪』


『最初に現れたのは、英雄たちを率いる大将、一回戦では見てる者をヒヤッとさせる作戦で勝利を収めた冒険者パーティ【ノアと愉快な仲間たち】パーティリーダーのノアだぁ!』

『今回はどんな試合をしてくれるのでしょうか』


『そして対するは、予選では何をしたのか一切不明。謎が謎を呼ぶ占わない占い師[星詠み]ステラの入場だぁ!』

『この試合ではどんな魔法を使っているのか見られるといいですね』


 ノアがステラに誰もが気になる疑問を投げかける。


「この戦いの結果って占って知ってたりするのか?」


「ふふっ、戦いとは時の運、そんなもの占ったら面白くないじゃないですか」


 ノアの問いかけにステラは昨日の夜も似たような会話したなと思いながら微笑む。

 

「それもそうだな」


「本気で勝ちに行きますよ英雄さん」

 

 夜を身に纏ったかのようなローブを着ているステラは、そうノアに告げ試合開始の定位置へ向かう。

 お互い開始位置についたところで実況が叫ぶ。


『二回戦第三試合! 試合開始ィ!』


 ノアはグレイブの時と同じように先手必勝を狙い、ステラに近づこうと魔法を身に纏った時。


 ――夜になった。


「星が夜しかいないのなら、私が夜をつくり出そう」


「は?」

 

 どこからともなく声がする。

 その声は闇の空間で反響し、辺りを見渡すが声の主の居場所をつかむことができない。


(暗くて何も見えない……けど!)


 ノアの魔法は光魔法。

 闇を照らすにはこれ以上ない魔法だ。

 ノアが魔法を出そうとした時、ぼんやりと明かりが灯る。

 見上げると空を覆いつくすほどの星が輝き、その光がステラの姿を映す。

 

「星ってすごいんですよ。魔力がたくさんあるんです。その力を受ければ……ね?」


 星の光に照らされたステラは空を指さす。


「命乞いをするなら今のうちですよ? これが流れてくる前に3回言えたら特別に見逃してあげます」


 そういうとステラは天を指してた指をノアに向け、魔法を発動する。


流星メテオール


 空に輝く星が光の筋となりノアに降り注ぐ。

 視界を覆い尽くすほどの光の奔流。

 避けるということを考えさせない一流の技。

 

 命乞い? 3回も言えないよ!


 その魔力によって作られた星の光はノアに優しい終わりをくれた。

 

 夜が明ける。

 そこには地に伏す英雄と夜を纏いし占い師が一人。


『け、決着ぅ! いったい何が起こったんだ!? 倒れてるのは英雄の大将ノアだぁ!』

『あの中でいったい何が起きていたんでしょうか』



「さあ、英雄さん。本当の戦いはこれからですよ?」


 トーナメントに敗者復活戦などない。

 負ければそこで終わりなのだが、ステラはどこか含みのある様子でノアに告げ、ゲートに戻っていく。

 

「ノア君負けてる」

「ここからだと中で何が起こったのか全くわかんなかったな」

「次はあの人と当たるんですね。まあ、その前にとてつもない壁を超えないとなんですけどね」


 ジョーの次の対戦相手は師匠でもあり、父親でもあるフィクスだ。

 この一年幾度となく手合わせをしてきたが、まだ一度も勝てたことのない相手だ。

 ジョーの表情には緊張が滲む。


「壁なんて壊しちまえ」

「壁は乗り越えな~」


「どっちですか」


 ジョーはふふっと笑い入場ゲートに向かう。

 最強に勝つビジョンは見えている。

 

『さあ! 次は二回戦最後の試合! まさかの師弟対決だぞ! 準決勝に進むのはいったいどっちだ! ――選手の入場だぁ!』

『すごい歓声です♪』

『大歓声の中最初に現れたのは、熱き英雄を下し勝ち上がった最も優勝に近い男! フィクス・ブライトだぁ! 師匠としての意地を見せつけるか!?』


『そしてそして! 対するはその弟子! [千の手]ジョー・ベルウッドだぁ! 師匠越えを果たし準決勝に進むことができるのかぁ!?』

『こちらも熱い試合になりそうです』


「今日こそは勝たせてもらいますよ師匠」


 ジョーはフィクスを真っ直ぐ見つめ返事も待たずに開始位置へ向かう。


「まったく……少しは会話を楽しみましょうよ」


 フィクスもやれやれと言った様子で開始位置に向かう。

 その姿はどこか余裕に満ち溢れ自分の勝利を信じて疑わない、そんな様子を感じられる。


 

『多くは語らずか! 魔法使いなら魔法で語るってことだな! それじゃあいくぞ!』


『試合開始ィ!』


 試合開始と同時に闘技場に二体の石像が現れる。


『早速出たぞ! ジョーの代名詞!』

『フィクスさんもトリフィムさんとの戦いのときも見せてました』

『師弟同士、同じ魔法での対決だぁ!』


 千の手を持つ石像は殴り合いに組み合いを繰り広げ、ついに片方の石像が砕け散る。


「さすがにこの魔法では一歩劣りますか……!」


 フィクスは後ろに飛びのき、空中に人間の数倍はあろう握りこぶしを作り出し、ジョーの石像に向けて撃ちだす。

 その拳は石像を砕き、そのままジョーに迫る。


「くっ!」


 ジョーは地面から岩の壁を三枚生成し、その拳を防ぐ。

 拳は砕け、壁にもひびが入りガラガラと崩れる。


『試合早々激しい攻防だぁ! どっちも譲らないぞぉ!』 

『試合は振り出しですね』

『ジョーが動いたぞ!』


 フィクスを取り囲むように地面から数本柱を生やし、フィクスに向かって放つ。

 自身を押しつぶさんとする岩の柱をフィクスは足元から柱を天へ伸ばし、空中に身を放り投げそれを躱す。

 フィクスは空中に身を投げたまま魔法を発動する。

 地面から巨大な岩の腕が現れ、握りこぶしをジョーへ振り下ろす。


「師匠はその技好きですね」


 ジョーも同じサイズの腕を生成し、その掌で握りこぶしを受け止め、着地してすぐのフィクスに追い打ちをかけるべく、細長い岩の槍を地面からフィクスに放つ。

 そのスピードは今までの魔法の比ではなく、かつてのドラゴン戦でも使用したときと同じ、目で追うのもやっとな速度でフィクスに迫る。


「少しは休ませてほしいですね……!?」


 着地して少し後ずさったフィクスは何かにつまずき、とっさに足元を見る。

 

 そこには注意して見ないとと気付かないような、ほんの少しの段差が作られていた。


 一流の魔法使い同士の戦いにおいて一瞬の反応の遅れが命取りになる。


 ジョーは“空中”に岩の塊を生成しフィクスに放つ。

 この一年の手合わせも含め地面からしか魔法を生成してこなかったジョーの渾身の不意打ち。

 

 (!? ……ここまで成長していたんですね)


 大量の岩の塊の落下により砂埃が舞う。

 砂埃の中、ジョーは目を見開く。


 「師匠……! それは……!」


『砂埃が晴れてきたぞぉぉ! ……な!?』

『これはいったい何が起きたんでしょう?』

『ついさっきまで攻めていたはずのジョーが倒れているぞぉ!』


『試合終了! 師弟対決を制したのは[不敵]フィクス・ブライトだぁ! 師匠としての意地を見せつけ準決勝に進出だぁ!』



 小細工はあった。

 意表もついた。

 しかし、それでは埋まらない決定的な差がそこにはあった。


 魔法を隠していたのはジョーだけでは無かったのだ。


「とんでもないのを隠してましたね師匠」

「ふふっ、ばらしちゃだめですよ」


 フィクスは微笑みながらジョーに手を差し伸べる。

 その手を握り、立ち上がりジョーは言う。


「戻ったらすぐばらします」

「それは、困りますねぇ」

「ここで叫ばないだけマシですよね」

 

 ――それにしても。


 ジョーは訝しげにフィクスに尋ねる。


「暴走とかしないんでしょうね?」

「心配しなくても大丈夫ですよ」


 フィクスはそう笑うとゲートに戻っていく。


「あんなもん使われちゃ誰も勝てないじゃないですか……」


 ジョーは、いまだ鳴りやまない歓声の中、観客に一礼すると小走りで仲間の元へ向かう。


 ドラゴンがいました!!!!!!




 流れ星に三回願い事を言うと叶うって話、知ってる?

 あれは流れ星が落ちるような稀な瞬間にも

 かなえたい願い事を思い続けてるような奴だから

 きっと成功するって話。


 命乞い三回言うと見逃してくれるのかあ


 フィクスの隠してた魔法はそりゃあ使えるよねって話


 次回は準決勝!

 エニ対ヴィント、ステラ対フィクス

 お楽しみ~

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