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最強を殺したドラゴンを倒したいと思います  作者: 加加阿 葵
第二章 最強の称号、暗雲の予兆
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第十四話 星に願いを

 

 ドラクエモンスターズ3全力待機おじさん「まだかな」


 更新です


 夜の都市で闇と光が交錯する。

 光は闇に飲まれ、闇は光に包まれる。

 まさに、天使と悪魔の対峙。


 

「はい、トリ君の負け~」

「トリさん角は取られないようにしないと」

「いやいや、神様マジで強いんだって」

「じゃあ、次は俺がやろう」

「大将やっちまってくれよ」


「次はノア君だね。勝ち残りのルールだと私ずっと残っちゃうけど勝ち抜けにしようか?」

「いいや、勝つよ。じゃあ、俺白ね」

「私黒ね。トリフィム君より歯ごたえあるといいな」


 決闘都市シュテルクス卜、その選手用宿屋の一室。

 ノアたち英雄組とヒカリはジョーの持ってきたオセロで遊んでいる。


 地球での記憶を頼りにジョーが自作したオセロだ。

 他にも、トランプなども自作している。

 

 ここ置けばめっちゃひっくり返るぞ。

 ん? ここしか置けない。

 あれ?


「…………パスで」

 

 ノアはうなだれ、部屋に用意されているベッドに飛び込んだ。


 二度とやるか!!


「うわぁノア君盤面真っ黒だよ」

「オセロって真っ黒になることあるんだな」

「これで僕たち全員負けですね」


 ヒカリは真っ黒になった盤面を満足そうに見つめ、はっと思いついたかのように口を開く。


「そういえば言うの忘れてたけど、みんなトーナメント出場おめでと」

 

 ほんとに今更だな。


「ヒカリちゃんはどこにいたの~?」

「私は中央闘技場のスクリーンで見てたよ」

「神様的に優勝しそうなの誰だと思う?」

「ギルマスのおじさんかな」

「即答かよ。嘘でもいいから俺たちの誰かにしとけよ」

「エニちゃんかなぁ」


 エニは鶏肉の肩を叩き、いままで見たことないどや顔で鶏肉を煽る。

 

 やめたれ。


 

「トーナメントで当たったら絶対泣かしてやるぜ」

「他のやつも名前だけは知ってたけど魔法とかは初めて見たよな」


 ノアはベッドから起きてきて、みんなのもとに座る。

 結局戻ってくるんかいとは誰も突っ込まない。


「私、風の人と当たりたくな~い」

「自分はグレイブさんがちょっと嫌かもです」

「俺は火と氷の相性的にアイシーと当たるといいな」


「ノア君は誰に注目してる?」

「ステラかな。一番何してるかわかんなかった」

「あの子すごいよね。多分トリフィム君より魔力量多いよ」


 マジかよ。



 

 選手用宿屋の屋上。

 夜のローブを着た人影が1つ。


「星は願いの数だけ輝く。だから私は願おう。星がもっと輝くように、こんな未来が訪れないように……」


 神が描いた夜空の星座も、読みとかなければただの点。

 人の重ねた知識が、未来を描き出す。


 そこに一陣の風が吹く。

 そしてヴィントがゆらゆらステラのもとに歩いてくる。

 風吹かす意味あったのかとステラは思ったが、平静を装い声をかける。


「これはヴィントさんあなたも星を見に?」

 

 ヴィントは首を横に振る。


「夜風を浴びに」

 

「星は良いですよ?未来を教えてくれる」


「明日……何かが起こるのか? そんな顔をしてる」


 ヴィントは前髪の隙間から翡翠色の目を覗かせ、訝しげに尋ねる。

 その問いにステラは少し驚いた表情を見せる。


「鋭いですね。自分の顔は見せないのに」


 ステラは皮肉たっぷりに言ってはみるが、そんなものどこ吹く風。

 ヴィントは気にするそぶりもなく続ける。


「……何が起こる? 占い師さん」


 ステラはゆっくり夜空を見上げ言葉を紡ぐ。


「例えばあなたにこの先の未来を伝えたとして、その未来に災厄があったとして、あなたは進むのをやめますか?」


 ステラはヴィントを見据える。

 月明りに照らされたその表情は真剣そのもの。

 上級冒険者のヴィントですら寒気を感じた。


「……」


 ヴィントはしゃべることができない。

 重苦しい空気がそうさせているのだ。


「未来とは人それぞれ不鮮明で等しく広がっています。未来なんて知らない方が楽しいですよ。明日になればわかることですしね」


「そうか、なら何も言うまい。――ちなみに明日の結果とかも占えたりするのか?」


「それこそ占ったら楽しくないですよ」


 ――それに。

 

「私が優勝するつもりで行きますからね」


「……100点」

 

 ヴィントはそういうと風のように姿を消した。

 前髪で隠れた顔は、おそらく笑っていただろう。


「ヴィントさんって結構しゃべる人なんですね」


 ステラもフードを被り、自室に戻る。

 自分で占った未来が外れるようにと願いながら。



 精神統一を行う者。

 ギルド職員たちと酒を飲む者。

 盾を磨く者。

 夜風を浴びる者。

 未来を占う者。

 負けた仲間を慰める者。

 大量の飯を喰らう者。


 オセロに飽きて、トランプでババ抜きをする者達。


 

 トーナメント出場を決めた選手たちはそれぞれの思惑を胸に日の出を迎える。

 ステラの占いという名の未来予知は、すんごい曖昧です。

 鮮明には分からないし、はるか先のこともわからない。

 せいぜい一日先ぐらい。

 だから、預言者ではなく、占い師って名乗ってる。


 ヒカリがオセロ強いのはマジでわからん。

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