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最強を殺したドラゴンを倒したいと思います  作者: 加加阿 葵
第一章 竜との対峙、廻る命
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第一章エピローグ3 紹介します。こちら死神です


 前回で完全に完結って言ったけど、書かなきゃいけない話を書いてなかった。


 例のごとく、自分で書いて自分で泣いた作者。



 コアキーパーで犬に浮気するやつは断罪!!!!!!!



 あ、よろしくお願いします。

 


 魔物が大陸から消えてから、約一週間。


 人々は新しい日の出を迎え、その生活に慣れてきたころ。

 とある高級焼き肉店の一角、世界を救った英雄たちがポツリ。



「やっと街も落ち着いてきたな」


 鶏肉は新しく買ったんだろう、また襟の立った服を着てる。

 ――あんまり似合ってないよ?


「まあ、ギルマスとノア君ががんばってくれてたからね。あ、これとこれもお願いします」


 エニは店員に肉を注文しながら片手間に会話している。


「今日は俺のおごりだけど、この一週間頑張ったんだから少しは遠慮しろよ?」


「は?」

「え?」

「ん?」

「やったね。ただ飯」


 ――1人多くね?


「触れない方がいいと思ったんだけど……ちなみにそちらの方は?」


 ノアは訝しげに見覚えのない人がいる方を見る。

 同い年くらいで服はこの世界のものを着ているが、ジョーと同じ墨を落としたような黒髪を肩くらいできれいに切りそろえている少女がちょこんと座っている。


「初めまして。死神です」


「……!?」


 (ほら! やっぱり触れちゃダメだったかも)

 (これが噂の痛い奴ってことか? 初めて見たぜ)

 (ジョー君の隣にいるから知り合いなのかな?美人さんだね~)


 各々頭をフル回転させて思考する。

 こいつはいったい誰なんだと。


 そこでやっとジョーが口を開く。


「今日、自分の話をするときに一緒に紹介させてください」


 (……来たか。ガールフレンド)

 (ジョー……お前……モテたのか……)

 (彼女か? 彼女なのか~? わあ~テンション上がってきた~)


 エニだけめっちゃテンション上がってる。

 自分の恋愛にはてんで無頓着だが、人の恋愛話は大好物な人種だ。


 まあ、ノアたちの予想は的外れなのだが。


「なんで、誰もしゃべんないんですか?」


「あ、ああ。あまりの情報量の多さに戸惑ってた」


「まだ何も言ってないですけどね」


 そんな時に注文していた肉が次々運ばれてくる。


「とりあえず食べようぜ」


 焼肉奉行の鶏肉はさっそく肉を焼き始める。


「私お金ないけど食べてもいい?」


「僕が持ってきてるんで大丈夫ですよ。みんなで食べましょう」


「やったね。いただきます」


「「「「いただきます」」」」


 五人は黙々と肉を食べ始める。


 ある程度腹も膨れ、少し落ち着いてきたところでジョーが口を開く。


「落ち着いてきたので、自分のことを話させてもらいますね」


「話したくないことあったら無理することないからな」


「ええ、大丈夫ですノアさん。全部話します」


 ジョーは口に少し水を含む。緊張しているのだろう。


 見知らぬ少女とエニはなんかメニュー表を見てきゃっきゃしてる。

 仲良くなるの早いけど、話聞こうよ?

 え、そんなデザートあるの!?みんなの分も頼もう。


「まず、こちらの方は先ほど言った通り、死神です。元って言った方がいいですかね」


 ――そして


「僕の命の恩人でもあります」


 ジョーは自分の過去を語る。自分が死のうとしたあの時から。



「で、今に至る感じです……」


 ジョーは俯いている。その顔はどこか不安そうな表情だ。

 それもそうだろう。

 十年間誰にも打ち明けることのなかったことを話して、自分への印象が変わってしまうかもしれない。

 なんで、隠してたんだと怒られるかもしれない。


 この話を打ち明けるのがどれだけ勇気のいることだったか、ノアたちには推し量ることはできない。


 水滴一つ落ちる音さえ聞こえそうな静寂。周りの喧騒も彼らにはもう聞こえない。


「話してくれてありがとう。ぶっちゃけ何を言ったらいいかわかんないんだ」


 珍しくノアがあたふたしている。こちらも珍しくちゃちゃを入れずに聞いていた鶏肉が口を開く。


「よくわかんねーことが多かったけどよ、過去がどうあれ今のジョーに対する俺らの価値観が変わるわけじゃねーし、そんなに心配すんなよ」

 

「そそ! ジョー君はジョー君じゃん」


「こう言ったら悪いけどさ、その程度の話で俺たちの仲が崩れると思ってたのか?」


 ノアはにこやかに笑い、話を続ける。


 ――これだけは言わせて


「生きててくれて、俺達と出会ってくれてありがとうな」


「……!」


 ジョーの視界が水中にいるかのように歪む。


 (……俺泣いてる人のケアの仕方わかんないんだけど、どうしよ)

 (ジョーが泣いてるとこ初めて見たぜ)

 (ああ、ノア君が泣かした~。ヒカリちゃんどうにかして)


 エニはヒカリに念力を飛ばす。

 ヒカリはこっち見てない。気づいて~!!


「聞いてた通り、ジョー君の親友のみんなはいい人たちだね」


 ノアたちはテレテレしてる。


「ほんとにいい人たちに巡り合えたんだね」


「……ええ」


 

 ヒカリはノアたちの方を見る。


「ノア君。鶏肉君。エニちゃん。私からもお礼を言わせて」


 ――ジョー君と出会ってくれて、一緒にいてくれてありがとう。


 ノアたちの返答は微笑み一つ。

 当然だろと言わんばかりに。



 鶏肉が自分の名前を訂正しない……だと?

 ノアとエニは顔を見合わす。

 そして二人とも「ああ、女の人相手だからか」と勝手に納得する。


 正解。




 ジョーが落ち着き、デザートが運ばれてきて、かつてない和やかな雰囲気で店を後にした。


 


「ノア君、私もご馳走になっちゃってよかったの?」


「感謝の気持ちだよ。ほんとにジョーの命を救ってくれてありがとう」


「ほんとにいい人だね」


「ジョーは今日、思い出したくもない過去を思い出したと思う」


「うん」


「でも、俺メンタルケアとかよくわからないから、その辺はよろしくねヒカリさん」


「ふふっ」


 ヒカリは嬉しそうに笑う


「私が何かをすることはないよ。君たちが一緒にいるだけで、過去の傷は癒えていくよ。ほら」


 ヒカリが後ろを指さす。


 ノアが振り返ると、鶏肉とエニにダルがらみされているジョーがいる。

 多分、ヒカリが彼女なのかどうか問いただされてる。


「……そうだね。あんなに笑ってるジョーはなかなかお目にかかれないぞ」


「へえ……私も混ざってこよ」



 ノアはヒカリを見送りながら、天を仰ぐ。

 聞こうとは思っていたが、タイミングが無く聞くことは叶わなかったが、もう聞かなくても大丈夫だろう。




 (兄貴は死神の少女に会ったかい?)


 

 出会っていたらいいな。死者だけでなく生者すらも優しく照らす光の死神に。



 主人公はジョーですが、これからも今まで通りノア視点で書かせていただきます。


 ヒカリは嫉妬して最後混ざりに行きましたね。

 ノアには呼び捨てで呼ばせないあたりお察し。モテるねジョー君。


 会えてるといいね。グラリス。



 リアルで泣いてる人慰めたことないからうまい事書けなかった作者。


 次回から数話SS投稿!!!!!


 最近ブクマとか評価少しされてきて舞い上がってる。

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