第一章エピローグ1 廻る命
マジで超高速で書き上げたぜエピローグ!!
あと二話ぐらい書いた!!
よろしくね
光の柱と共に竜は蒸発し、光が消えるとそこにはフィクスが倒れている。
いつの間にかノアの周りに集まっていたパーティメンバーと共にフィクスに近づき、ノアが回復薬をポーチから出そうとする。
「木の枝がポーチに刺さって回復薬ぶちまけられてポーチの中ビチャビチャなんだけど……」
ノアは無言でエニの方を向きニコッと微笑む。
背筋が凍るようなその微笑みにエニは今日一番の恐怖を感じた。
「ノア君ごめんなさい。僭越ながらわたくしがやらせていただきます!」
エニは倒れているフィクスに向かって魔法を発動する。
「グロウアップ。慈愛の揺り籠」
フィクスの周りにこの世のものでは無い様々な花や草が咲き乱れ、揺り籠のようにフィクスを包み込む。
次第にフィクスの体の傷は消えていく。
彼の心の傷も消えてくれたらとノアは願う。
「私を殺さないのか……?」
自慢のオールバックも乱れ、ひしゃげた眼鏡をはずしながらフィクスは問う。
「あなたを殺すことに意味はありません」
「私は……君の兄を……」
「あなたが兄貴を殺し、人類を滅ぼそうとしたことはどうしようもない事実です。でも、それでもあなたは戦争を終わらせ、平和をもたらし多くの人々に希望を与えたのもまぎれもない事実です」
ノアは、にこやかに笑いながらフィクスに視線を合わせるためしゃがみ込む。
「これが、終わったら兄貴に報告する約束なんです。一緒についてきてくれますね?」
「……ええ、必ず」
しばらくの沈黙の後、フィクスはかすれるような声でつぶやく。
「私は……いつ間違った選択をしてしまったんでしょう」
ノアは立ち上がりながら、あの言葉を口にする。
「大事なのは正しい選択をすることじゃない、選んだものを正しいものにする姿勢だ。兄貴の受け売りですけどね」
「師匠の選んだ選択が正しいものだとこれから証明していきましょう」
「ジョー……大きく……なりましたね」
妙に間があるけど感動して言葉に詰まってるだけだよな?
ジョーがほぼ裸なのは関係ないよな?
「ええ、師匠のおかげです。あなたと一緒にいた時間は僕にとってかけがえのないものです。僕に話し方がうつるほどに。師匠は僕にとって……父親ですから。――これは師匠の生きる意味になりませんか?」
「ええ、ええ……!」
フィクスは涙を流す。
いったいどんな表情で泣いているかは俯いているので誰もわからない。
感動する場面なんだろうけど、パンイチのせいで話入ってこないわ。
鶏肉は手をワキワキさせて口をパクパクさせている。
「気の利いた言葉出てこないんでしょう~? そういうところだよね~」
「エニも何も言ってないだろ!」
「私は傷治したでしょ! 一番感謝されるの私だよ!」
今良い雰囲気なんだから喧嘩しないでよ。
「さてさて、ギルマス様。これからやることはたくさんありますよ? 魔物が大陸から消えたんです。これを丸く収めることができるのあなたしかいませんよね? それから兄貴の墓参りに、今回の件を国王に報告しないといけませんね」
「まあまあノアさん、今はその辺にしてください。その前に帰りますよ」
「早く帰ってご飯おごってもらわなきゃ!!」
「ジョーの話も聞かないとだしな! うまい肉食おうぜ!」
「ほらギルマスも帰りますよ」
ノアはフィクスに手を差し伸べる。それは絶望の沼から引き上げる救いの手。
「私は本当に許されていいのでしょうか」
「せっかく手を差し伸べてるんですから、手を後ろに隠さないでください。あなたが選んだ選択の先の責任も俺たちが一緒に背負いますよ」
ノアは腰に手を当て、呆れたように言う。
全くも~という副音声が鶏肉には聞こえた。
「そうですか……」
フィクスは手を伸ばす。
「「「「ぽん!!」」」」
フィクスの伸ばした手に四人の腕が伸ばされる。
フィクスは何をされたか理解できずに顔を上げる。
「僕たちみんなはチョキ、師匠はパーですね。じゃんけんは師匠の負けですね」
「ノアがいいって言ったんだ。気にする方が失礼だろ」
「じゃんけんで負けたギルマスはフリードに帰ってから飯を俺らに奢ってください。それでほんとにチャラにしましょう」
「ギルマスとノア君で私たちは二回もただ飯にありつけるってこと!?」
イエーイとハイタッチする鶏肉とエニ。
それを見てジョーが微笑んでいる。
いつもと何も変わらない愉快な仲間がそこにいる。
「これは……してやられましたね」
「じゃあ、帰ろうかフリードに」
帰るといっても、全員疲れ果てているのでキャンプをすることになり、誰も食事を持っていないので、比較的動けるノアと、ノアの上着を借りたジョーが森に入り食べ物を探している。
誰も帰りの食べ物を持ってきていなかったのは、そういうことだ。
みんな生きて帰れると思っていなかったのだ。
だからエニは最後の晩餐のつもりでいい肉を持って来ていたのだ。
「ノアさん……ありがとうございます」
ジョーのお礼がいったい何に対してなのかをすぐに理解したノアは微笑みながら答える
「気にすんな」
自分の大切な人は死なない方がいいに決まってる。
数日後。
ノアとフィクスはフリードの国王メチャ・イ・イヒト王に報告した。
なにも包み隠さず。
そして、しばらくして大陸中に伝えられた。
ドラゴンという存在が魔物を作り出し大陸を脅かしていたと。
そのドラゴンは平和の象徴グラリスとフリードの冒険者ギルドマスター、フィクス及び――
上級冒険者パーティ『ノアと愉快な仲間たち』によって倒されたと。
そして、世界から魔物がいなくなったと。
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死神に忘れられ悠久の時を生きた竜が死に、命が廻る。廻る。廻る。
命の総量とは命の個数ではなくて、文字通り量なんですよ。
その命の寿命の長さがそのまま命の量に比例するわけです。
世界の命の総量は変わることはないんです。
つまりですね、この竜のせいで大陸の人口減少、絶滅危惧種の増加、土地の砂漠化の進行などが起こったんですよ。
さて、ここで問題です。
悠久の時を生きた竜の命の総量は言わずもがな、その分貯めこまれた命の量が人間に仇なす者の命に゛丸ごと゛使われたらどうなるか。
「GYAGYAGYA」
「KYUKYUKYU」
「POPOPO」
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新しき命達が今産声を上げる。
これからこの世界がどうなるか見ものですね。
え? 私が誰って?
まあ、今は知らなくて良いじゃないですか。
それよりもここからこの世界がどうなるか一緒に見ましょうよ。
王様はフィクスにこう言いました。
「あなたはこの国を、大陸を平和にしました。これは称賛されて然るべきです。確かにあなたは人を殺めました。その罪は消えることはありません。その罪をこれからこの国への献身及び、ノアたちへの惜しみない協力で償っていくことに期待しています」
名は体を表す。メチャ・イ・イヒト王はめっちゃ良い人だった。
命の総量の設定に関しては突っ込まないで!!
作者も書いてて意味わかんなくなってるから。




