第九話 纏いし黒銀の翼
RTした人の小説を読みに行くってタグを軽い気持ちでツイートしたら思いのほか伸びてしまって、嬉しい悲鳴ですね。
俺みたいな人の感想を聞いて何を得たいのかはわからんが、素人目線の感想でも許せよ
更新です。
10日前――
――魔物をもっと強くするか?
竜が問う。
「いいえ、もう結構です。この大陸の国々は和平を結び戦争は無くなりました。――やっと、平和になりました」
「ほう、その割にはうれしそうじゃないな。してフィクスよ、初めて会った時、我は問うたな、お前は平和になったこの世界で何がしたい?」
フィクスは考え込むように俯く。そして息を吐くように言葉を紡ぐ。
その瞳には光が失われている。
「私はこの10年間……大陸を平和にすることだけを考えて生きてきました。ただ平和になった国を見てふと思いました。この平和な世界になぜ私の妻と息子はいないんでしょう?」
――そんな世界で私がしたいことなど……
まぶしい日差しの中、君たちが消えていくその日々に何の意味がある。
諦めきれずに何度も名を呼ぶけどもう声は届かない。
残酷なことに振り回されても、新しい朝に目覚めなきゃわかってる。
竜は納得したように頷く。
「フィクスよお前は1人でこの世界を平和にしようと奔走してきた。誰にも感謝されることなく、誰にも気づいてもらえずに」
「そう……ですね」
「お前の待ち焦がれた平和の世界におまえの生きる理由が無いのなら――いっそ壊してしまえ」
「え?」
「貴様は弱い、だから世界を恐れている。だが、もうその必要もない。竜の力をその身に宿せば、世界が貴様を恐れるだろう」
フィクスは声が出せない。口を開くことすらかなわない圧力を感じる。
戦おうとすら思えないそんな圧が。
「我は最初に言ったな? 人間を滅すかと、フィクスよ頭をあげよ。強さを謳え。強さを振りまけ。力を制せ。強者を倒せ」
フィクスが隠していた心の底にあったどす黒い感情が湧き出してくる。
「お前みたいな悲しき人間が増えないために滅ぼせ。これは救いなのだフィクスよ。この穢れた墓場からのな」
「しかし……人の命を奪うなど……」
「奪う? 命は救うものだフィクスよ」
「……っ!」
フィクスは感じた。おそらく何を言ってもこの竜は聞かないのだろうと。
「矮小、脆弱、無力。今のお前は何が為せる? 捨てよ、すべてを。お前を縛る遍く物を。そして欲せ翼を、鱗を、咆哮を!」
「……わかりました。私が人類を。世界を救いましょう」
「我はお前を気に入っている。くれてやる我のすべてを!!」
死神に忘れられた竜は世界を破壊する黒銀の翼。
それが齎すは……
竜が黒いモヤになりフィクスの中に流れ込んでくる。
人体の中に流れ込み能力を授ける原理をフィクスは理解できていないが、竜ならそれくらいやるかと無理やり自分を納得させている。
世の中の不思議は大体魔法のせいにしとけば大丈夫なのだ。
「力が湧き出るというか漏れ出てる気がしますね」
フィクスは手を握ったり開いたりして感覚を確かめる。
「まずはどうしましょうか。まず最初に救う人は決まりましたね」
フィクスは青く澄んだ空を見つめポツリとその名をこぼす
「グラリス。孤独な人よ、あなたに救いの手を」
空に手を伸ばす。人間の首を絞めるかのように。
「いや、外側だけで判断して最強だの平和の象徴だのと勝手に崇めて彼を孤独にしたのは我々でしたね...」
フィクスは歩き出す。人間を救うために、それが生きる理由だと言わんばかりに。
竜はね、マジでフィクスのことを気に入っててフィクスを救いたかったわけですが、人類を滅ぼすといったパワープレイにでた。
もう自分の力の押し売り、洗脳に近い。
なんでフィクスの中に入れたって?そりゃあこの世界の不思議な力。魔法の力だよ。
短いから次の話も更新しようかな




