想い出は風の旅路
仙道企画4ボカロ企画1 という、作曲家仙道アリマサさんご提供の曲に歌詞をつけ、ボーカロイド(歌ってくれる機械)が歌ってくれるという、面白いユーザー企画が開催されております。ひとり二作品まで、という規定あり。
作品の下にある企画概要内に曲が聞けるリンクがあります。
私も二作品で参加いたします。
①草海原の風乙女
わがもとーにし ーーーたーいーよる
いとしかーぜ ひろのにー
ひるがえる
しろきあーし うーるーわーしーのー
あおくおよぐかーみーよー
きみがこーえ くーーーもながーあれ
はれわたーる そーらよー はじけとぶ
きらめきーは なーがひとーおみー
てをとりてー うたわーんー
ただきーみーのーみー わがかいなにいーだーきーてー
よいやみさえ
しーたーしーくー ひかりのなみ ひつじのなみだー
つゆおくおか
にーなでゆーくー やさしきみが かーあーぜーのー
そばちかくに
とーわーのー ちーかーいー くさに こいし
きみが おもーかーげー おわーんー
きらめきーは なーがひとーおみー
てをとりてー うたわーんー
我が元に 慕い寄る
愛し風 広野ひろのに
翻る
白き足 麗しの
蒼く泳ぐ髪よ
君が声 雲流れ
晴れ渡る 空よ
弾け飛ぶ
煌めきは 汝なが瞳
手を取りて歌わん
ただ君のみ わが腕かいなに抱きて
宵闇さえ 親しく
光の波 羊の涙
露置く 丘に
撫で行く 優し君が風の
側近くに
永遠とわの誓い
草に
恋し君が面影追わん
★①メモ
この歌詞は、元々仙道企画3の課題曲につけた物語ありきの歌詞でした。旅芸人アルレッキーナ・ブフォンと仲間たちの演奏という設定なので、小細工多用しています。
今回、仙道さんご提供のラララを載せてみると、改めて厨二感満載の譜割りだなぁと我ながらやりすぎに苦笑しました。
物語の中では、サビもリピートして2回目の結びは歌詞が違う設定でした。音数も変えてハマリを変えると言う、民謡バラード風の小細工までしています。
その部分のハマリ。永遠の誓いまでは同じ。
とーわーのー ちーかーいー いーま ーぞー
くーさ ーにーあーそーびー おどらんー
以下、仙道企画3参加作品『風は慕う羊の涙』より。
なお、演者は3人。少女、ちび、でか、のトリオです。
旅芸人アルレッキーナ テイバー&パイプ、太鼓と歌
流離の魔法使いサッジ 魔法の竪琴と歌、即興詩人
遍歴の剣士リッター イリアンパイプス、歌は主に低音部
ただ君のみ わが腕かいなに抱きて
宵闇さえ 親しく
光の波 羊の涙
露置く 丘に
撫で行く 優しき君が風の
側近くに
永遠の誓い
今ぞ
草に遊び躍らん
最後の伸びやかに歌い上げるところは、魔法のハープと2人の笛が、駆け上る伴奏で盛り上げる。羊飼いの可愛らしい声とサッジの軽やかな節回しが、暖かな陽射しに溶けてゆく。最後は歌詞がなくなり、3人の楽器だけが歌うのだった。
「こんな話があるんです」
全ての音が風に流れてしまうと、羊飼いの乙女が口を開いた。3人が知りたかった歌の謂れが語られる。
町の向こう、丘を越えて岩山の頂に見えるのは300年前に建立された古城である。今では一領主として、大国で臣下にくだった貴族の城だが、かつては小国の王城だった。
遥かな昔、この地に住まう草原を渡る風の精霊が、旅の青年と恋をした。恋する青年は旅を休んで草原に留まった。そして丘に住む狩人や羊飼いと親しくなった。
丘の彼方、岩山には恐ろしい魔物どもが巣食っていて、この地に住まう民はごく僅か。青年は彼らを集めて城砦を築いた。
精霊は、生まれた地を離れるとその生命が削られることを隠して岩山の砦に嫁ぐ。2人は小さな騎士団を率い、程なく国として麓の丘を含む草原一帯を擁する小国となった。
しかし命を削った精霊は、幼い姉弟を残して消滅してしまう。王は嘆きながらも国を導く。彼は、しばしば草原を馬で巡り、亡き妻を思う歌を歌った。
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②風に呼ばれて行く先はどこ
ましろきのばらーーー かおるこみち
もりのおくへさーそうー ひるさがり
はなにあそぶ ちょーうのはーねひかりー
わかものはー うたうーよー
こずえはたかくーーー こもれびふり
もりのみちはまーだらー ゆうぐれに
えだにいこう こーとりよーぶーよー
うすやみのー かなたーへー
あまきーゆーめーはー ほしあかりにまーどーいーてー
ほのじろくー
なーがーれーるー かみはさそう いずみのおとめ
たてごーとー
かーなーでーてー おどりめぐる よーうーせーいー
まどろみさえ
つーきーはーはーこーぶー とーおーくー
とーきーのーふーねー ただようー
ささやくかぜ ゆーらめきーまねーくー
まぼろしのー あさやーけー
真白き野薔薇 薫る小径
森の奥へ誘う 昼下がり
花に遊ぶ蝶の羽光り
若者は歌うよ
梢は高く 木漏れ日降り
森の道はまだら 夕暮れに
枝に憩う小鳥呼ぶよ
薄闇の彼方へ
甘き夢は 星あかりに惑いて
仄白く
流れる髪は誘う 泉の乙女
竪琴
奏でて 踊り巡る妖精
微睡さえ
月は運ぶ 遠く
時の船 漂う
囁く風 ゆらめき招く
幻の朝焼け
②メモ
こちらは新作、本日出来立てほやほやです。制作時間は1時間弱。音数とか語感の調整に思ったより時間を取られてしまった。バッと出てこなかったので、かなりぎこちないですけど、出来たので提出します。
ほぼガイドボーカルのまま。これは最初から意図しました。旧作を微調整したほうが厨二な譜割りだったので、新作はストレートにいこうと決めていました。ハモりがあんまりいかせてないのが心残り。もうちょっと明るく不穏な感じにしたかったかも。
繰り返しはほんの少しだけ嵌りを変えたんですが、もう少しいじってもよかったかな。
サビの嬰ヘ短調も、平行調の強みを殆どいかせていないですね。明るく長閑で牧歌的なイ長調から、情熱的で妖しげな嬰ヘ短調へ。こういう明るく長閑な闇御伽噺にはもってこいの転調なんですが。
★この曲(メロディ、音源等)を使いたい方は、企画概要をご覧ください。仙道アリマサさんに歌詞以外の諸権利がございます★