名探偵の友人は「迷」探偵?
どうも、吉川です!!
このお話は評判が良ければ連載化するつもりです。
是非高評価、ブックマーク、感想よろしくお願いします(__)
僕には向いてないのかもしれない。
事務所への帰り道、峰崎蓮はそう思って、大きく溜息をついた。
黒いコートを羽織ったこの男は、都内で探偵事務所を開いている探偵だ。
とはいえ、今までで成功した依頼は、ひとつもないのだが。
この日はターゲットの尾行に失敗し、依頼人にこっぴどく叱られた帰りだ。
蓮はこの仕事を期に、探偵を辞めるつもりでいた。
蓮が事務所の扉を開けると、
「あ、おかえりなさい!『迷』探偵さん。」
一人の小柄な女が、カップ麺を手に蓮を出迎えた。
この女は佐伯理乃。
今年でやっと成人を迎える、蓮の助手だ。
栗色の内巻きボブ(くせっ毛)に、パッチリとした目。
この姿で現場を走り回る姿は、リスを連想させる。
そんな理乃は、吞気にカップ麺をすすって、事務所の中に入っていく。
「ねえ、理乃。」
そんな理乃を、蓮は呼びかけた。
理乃は麺を咥えながら、不思議そうに振り向く。
「僕さ。探偵、やめようと思うんだよね。」
「…。」
理乃は咥えていた麺をすべてすすると、テーブルに容器を置いた。
「理由を、聞かせてくれますか?」
「やっぱ、向いてないと思ってさ。」
「ということは、失敗したわけですね、今日の依頼。」
「うん。」
そして、すこしの沈黙が続いた。
「……なんていわれたんですか、依頼人に。」
「『もっと推理小説とか読んで、出直してこい!』って。」
「ありゃ、ひどい怒られようですね。」
「…。」
「…。」
また沈黙。
「蓮さんは、本気で考えているんですか。」
「ああ、もちろん。もう生活も厳しい状況だ。潔く諦めて、ほかの仕事を探した方がいいんじゃないかと思ってね。」
「私は、どうすればいいんですか!」
理乃は声を荒げて蓮を睨みつけた。
「私は小さい頃に両親を亡くして、頼れるのは蓮さんだけなんです!あなたが一番それはわかっているはずです!なのに…」
理乃の大きな目から、涙がこぼれ落ちる。
「どうして…、どうしてそんなこと言うんですか?」
これには蓮もお手上げだ。
今日の朝から、ずっとそうしようと決めていたのに。
すると理乃は、涙を拭って自分の机に歩いていった。
蓮も後を追う。
理乃は机の中をガサガサと漁り、一枚の新聞紙を取り出した。
「ここの記事、読んでみてください。」
「?」
蓮は素直に、それを覗き込んだ。
『天才名探偵登場!警察が唸るような難事件も一日で解決!』
一面にどでかく書かれた文字の隣に、その探偵とみられる男のイラストがあった。
「!!」
それを見た途端、蓮はばっと顔を上げた。
「理乃。一体、これは…。」
「そうです。」
理乃は勝ち誇ったような笑みを浮かべて、蓮を見る。
「それでも、まだ探偵を辞めるとおっしゃいますか?」
「………。」
蓮は頭を抱えた。
しかしこいつがいる限り、僕は探偵を辞めることなどできない。
「理乃。」
「はい?」
「行くぞ。」
「どこへですか?」
「この名探偵の、事務所だ。」
蓮は黒いコートを羽織った。
理乃は微笑んで、茶色いベレー帽とジャケットを身に着ける。
そして二人は、ネオンのきらめく街に飛び出した。
どうか、お願いしますっ(o*。_。)oペコッ




