第3話
3話目です。
「選定の儀ってなんですか父上??」
3歳になったオーブは書物で見つけた選定の儀について尋ねる。
「選定の儀は3歳になったら行う、職業判定の儀式の事だ。そろそろオーブにも話さないととは思っていたんだが、タイミングがあわなくてな、、、今月の末に教会で儀式を行う事になっている。」
(あ~職業判定か、、、大丈夫っすよね?、、魔王とかでないっすよね?、、)
オーブは嫌な予感を胸に選定の儀を迎えた。
レイド辺境伯領の領都ビグマースにある教会で選定の儀は行われる。
3歳になった子供は原則全員参加が帝国法により決められており、この教会の前には500人くらいの子供とその保護者達で溢れかえっていた。
「お待ちしておりました。レイド辺境伯様。」
「うむ。なかなかの人数だな。」
「今年は例年に比べて少し多いと思います。」
「そうか、子供の数が多い事は領主として嬉しく思うよ。」
「そうでございますね。では儀式を始めますのでこちらにお願いいたします。」
レイド辺境伯はオーブとともに神父の後についていく。
辺境伯もオーブの選定の儀の結果が気になって少しソワソワし始めていた。
(オーブは3歳でここまでしっかりとした子だ。必ず素晴らしい結果を手にしてくれるだろう。)
辺境伯はオーブの儀の成果を大いに期待しているのに対しオーブはそれどころでは無かった。
(やばい、大丈夫か、、、魔王とか死亡フラグでしかない、、、頼むよ、、、)
オーブは今朝は儀式が気になりすぎてご飯も食べられなかったくらいだった。
教会の中に入り神父に案内された場所で待機する。
「では選定の儀を行いたいと思います。ではオーブ様こちらの宝玉に触れて選定と唱えて下さい。」
「、、、分かりました。、、、、、、、、せ、、選定、、。」
オーブが鑑定と唱えると眩い光がその場を照らした。
「こ、これは、、ここまで眩い光を発したのは初めて見ました。。」
「選定の結果はどうなんだ??」
レイド辺境伯が神父に問いかける。
(初めてって、、、普通じゃないってことっすよね~??まさかやっちゃった、、、?)
惚けていた神父は辺境伯の声でハッとし宝玉の確認をした。
「選定結果は、、、聖魔神?です、、、。ら、、ランクEXです!!」
職業名の所ではオーブも辺境伯も反応がなかったが今までに存在しなかった職なので仕方がないだろう。
ランクの所で辺境伯は声をあげた。
(聖魔神ってなんかまざってないですか、、、??絶対勇者と魔王の影響っすよね、、、。
まぁ最悪の魔王表示は無かったからよかったけど。)
「おぉ。EXランクか!凄いではないかオーブ!父として嬉しく思うぞ。
それで神父様聖魔神というのは何なのですかな?」
「わ、分かりません。始めて目にした職業ですので、、、。」
「なんとやはりレア中のレアな職業だったか。」
「おめでとうございます辺境伯様。では次の子の儀を行いますので。」
「ありがとう神父様。では失礼する。」
辺境伯はオーブを連れて教会を後にする。
「オーブ良くやったな。これで将も安心だな!」
「ありがとうございます。父上、、、」
辺境伯はテンション爆上げであったがオーブは少しどんよりしていた。
ちなみにこの世界の職業ランクは上からEX,SSS,SS,S,A,B,C,D,E,Fとなっている。
下のFランクは農民のみで、Eランクから農民長や商人、学者など増えていく。
Fが凡人クラス、E-C普通クラス、B-Aがエリートクラス、S-SSが英雄クラス、SSSが人外クラス、そしてEX-???が規格外、または神のクラスと呼ばれている。
ランク職業ともにクラスアップする事もある。
ちなみに勇者、魔王はS-SSSクラスに分類される。
そんな規格外の力を持ったオーブは瞬く間にその名を帝国中に広まったのである。