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ツー君って微妙なイメージばっかだよね


ちぇーッ!



「つかさ機嫌悪い? どうしたの?」

「んん? そんな事ないよ」



あたしの隣に座ってる琴があたしの様子を見てなんだか心配そうな顔をしている。



車に乗る時ツー君の隣はあたしが座ってあげようかな、こんな時もぼっちになるかもしれないと思って気を利かせて「あたし隣いい?」 って聞くと涼太君が……



「俺が西野の隣でいいよな?」 とか言い出すんだもん。 今更何言っちゃってんの涼太君は? 確かに仲良くさせてようとしてたけど気を利かせたあたしがバカみたいじゃん? まぁいいけど。



ツー君はまぁ…… あたしじゃなくなって残念そうな顔はしてたけど、様子を見るに涼太君何気にあの時の事感謝してるみたいで2人とも普通に話してる。 あとは大吉君と佐伯君も。 男子は男子で楽しそうだね。



「つかさ、お菓子食べる?」

「あ、うん! 琴ったら優しいね」

「ふふッ、だってつかさと遊ぶの久し振りだし」

「琴って相変わらずつかさ好きねぇ」



後ろに座っていた雫が後ろから顔を出して話し掛けてきた。 



「あ、雫もどうぞ」

「ん、ありがと。 西野は割と上手くやってるみたいね」

「つかさ、あの子ってつかさの友達なんだよね?」

「ん? そうだけどどうして?」



琴は声を小さくしてヒソヒソとあたしに言う。



「なんか前も見た時から思ってたんだけどつかさのどの男友達よりも仲良さそうだったから不思議でさ。 だってつかさなのに……」



だってあたしだから何? ツー君は変に気を遣ったりしなくても済むかから居ると楽なんだよねぇ、前はお芝居だったけど。



「ププッ、だってつかさって…… 琴、あんたが思うほどつかさは憧れるような対象じゃないわよ? この子意外とめちゃくちゃだから。 それにほら、今日だって私が選んだ服そのまま教えた通りに着合わせてるし」

「途中から明らかに話のベクトルが変わったよね? どうせあたしはセンスないですよ」

「そんな所もなんかいい! つかさ、後で私が服選んであげるよ、そしてそのまま着て!」

「ん〜! 琴ったら可愛い! 意地悪な雫と違って琴は優しいねぇ」

「ダメだこりゃ……」



琴ったらほんとにあたしの事好きだなぁ。 何がいいのかわかんないけど中学の時ろくな友達も居なかったから悪くはないけど。



「雫はいいよねぇ、つかさと同じ学校で同じクラスでしかも友達だなんて。 私もつかさと同じ学校だったら良かったなぁ」

「あはは、だからそんなんでもないって。 でも琴はいいわよねぇ、念願の彼と付き合えて」

「うん、それは良かったかな、うふふ」



琴は少し顔を赤らめて頷いた。 少し刺すように雫が言ったのも効果がないみたい、残念雫。



「雫はあの子…… 西野君の事好きなの?」

「え!? は??」



琴につっこまれ思わず大きな声をあげた。 わかりやすいなぁ雫は。



「え? え? あの時から私も少しそうなのかな?って思ってたけどマジ?」



雫の隣に居た麗華までも反応した。 



「あ…… ええと、まぁそうかな」

「ウソ!? 雫って潤君みたいなタイプが好きだったんじゃないの? えー、よりにもよってあれ? ありえないでしょー?」

「ちょっと! もう少し静かにしなさいよ! 私もそうだと思ったんだけど…… いやぁー、不思議よね」

「うわぁ…… 羨ましくはないけど良かったね」



麗華は座席越に後頭部の半分しか見えないツー君を見て言った。 ツー君の印象ってことごとくそれだよねぇ。 ああ、とっくに慣れてたけど中身はストーカーだもんね。 あたしがしてもいいよって言ってるからアレだけど…… でもあたしもあたしだなぁ。



「麗華…… 羨ましくないとか一言余計じゃない?」

「ははは、恋は盲目だって言うし多少はね」



盲目か。 そうだろうねぇ、ツー君と雫が好きだった大城君を比べれば逆立ちしても大城君の方がいいに決まってるんだけど大城君は琴のものだし。 それにしたってツー君とは……



でもあたしだってなんだろう? 友達なのは友達…… ツー君にはめちゃくちゃ言って最後の最後と思ったら友達になって。 必要以上に構ってあげてる、別に恋人とかになりたいとは思ってない、思ってないよね? ツー君は普通に危ない人だし。



まだ友達ってどういう思考であたしは言ってたんだろう? まぁツー君にはこう言ってた方が嬉しいかなとか思って言ってるんだろうけど喜ばせてあげたいとか思ってる? 



うーん、それは騙してたのは多少は悪いと思ってるし、でもでも覗き行為してたツー君にはそれくらいの罰はあってもいいし……



「ねぇねぇ、つかさ」

「あ、はい」

「あ、はいって…… 上の空だったよね?」

「ちょっと考え事! それで何?」

「私つかさと一緒に寝たいな! いいよね? ね?」

「なぁんだ、そんな事? 全然いいけどあたし寝相悪いかもしれないから琴の事蹴飛ばしたりしても知らないよ?」

「えー? つかさって寝相悪いの? そんなイメージなかったから楽しみ」



琴の中のあたしのイメージってどんなんだろう、美化してない? あー、でもこれってツー君があたしを見てるのと少し似てるのかなぁ?



「あ、なんかあれみたいだよ?」



そうこうしているうちに大吉君の山小屋が見えた。 立派でお洒落そうなコテージじゃん。 キャンプかぁ、なんかこういうのあたしも初めて。


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