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友達作り?


「チッ、なんで俺がこんな奴と……」

「僕も同意見なんだけど?」

「は? お前随分生意気になったな?」

「それが何か?」

「てめぇ西野のくせに調子乗ってんじゃねぇぞ?」



最悪だ、なんで僕が夏休みにこんな奴と…… 間宮さんの申し出だから仕方ないんだけど。


「涼太こんなのと遊ぶの?」



坂田の彼女らしき人物が僕を冷めた目で見ていた。 こいつは確か隣のクラスの中原なかはら あきらだっけ? 僕だって今すぐ帰りたいよ。 



「間宮がどうしてもって言うからしょうがないだろ」

「なんでそこでつかさが出てくるわけ? もしかして浮気?」

「んなわけないだろ! 確かに間宮は可愛いけどそんなんじゃねぇ」



そうだろうな、弱み握られてるもんなお前。 何か知らないけど。



「それで? 間宮はどこだよ?」

「つかさったらいつまで待たせんのよ?」



学校の前で間宮さんは待ち合わせをしたらしいけど肝心の間宮さんがいないと……



「おーい! お待たせ!」

「つかさ! 遅いのよ!」

「ごめーん! 寝坊しちゃった」



間宮さんはえへっと笑って赤城に舌をペロッと出して謝った。 お茶目だなぁ、間宮さんは。



「ツー君もごめんね? 待ったでしょ?」

「ううん、大丈夫」

「え? ツー君? 何それ?」

「何それって。 西野君の事じゃん? あたし達友達だからさ」

「マジ…… ? つかさの趣味ってよくわかんないわ」



赤城は僕と間宮さんを交互に見て引きつった顔をしている。 



「それでなんなのよ? 私達2人呼び出してさ」

「あー、そうだね。 涼太君とツー君ってこう見えても仲良いからさ」

「は? 涼太それ本当?」

「…… ま、まぁ仲良いっていうか知り合いっていうかクラスメイトっていうか」



それってどんどん仲が良い表現から降格してないか?



「ね? 涼太君恥ずかしがり屋だからさ、ツー君とは意外と趣味が合うんだけどなぁ」

「ま、間宮! 今日はどうするんだ?」

「ん? どうしようね?」

「決めてないのかよ……」

「じゃあとりあえずカラオケにでも行こっか?」



赤城がそう提案した。 またカラオケかよ…… お前らカラオケしか行くとこないのか!? 僕人前で歌なんて歌えないんだけど?



「間宮さん僕……」

「ん? 大丈夫。 一緒に歌おうね!」



間宮さんと一緒に歌う…… 2人の共同作業。 えへへへ……



「こいつなんか急にキモいんだけど?」

「西野がキモいのは今に始まった事じゃねぇって、とっとと行くぞ」



あ、浮ついた気持ちが外に出てしまったか。 キモくなくするには普段からニヤニヤしたらって事か? 試しに下を向いてニヤニヤしてみる。



「ツー君どうしたの? 締まらない顔になってるよ?」

「ま、間宮さん!! なぜ!?」



見えないようにやってたつもりだったのにバッチリ間宮さんに見られてしまった……



「ツー君俯いてるから不思議だなって思ったらニヤニヤしてるんだもん」

「え、ええとこれは笑う練習で……」

「練習? 変にやらなくてもツー君はちゃんと笑顔とかになるじゃない? あ、でもあたしに向けてだけかなぁ? あははッ、なんかあたし専用? みたいな」



間宮さん専用…… いい響きだ。 僕は全身全霊間宮さん専用だよ。



「ほら、今も笑ってる」

「き、キモくない?」

「え、今更? もうそんなのとっくに通り越してるよ?」

「それはどういう意味なんでしょう?」

「それはね、可愛いよって事!」



か、可愛い…… 間宮さんに可愛いと言われた。 



「だからシャキッとしなさい!」



バシッと間宮さんに背中を叩かれ前のめりになると前に居た坂田にぶつかった。 



「あ、ごめん、ん?」

「…… お前らって付き合ってないの?」



何故か坂田と赤城が僕と間宮さんを見ていた。 そしてその問いに間宮さんをチラッと見ると……



「んー? ツー君とはまだ友達だよ。 なんで?」

「つかさの趣味ってやっぱり変ねぇ」

「晶失礼でしょ! 晶の趣味も十分変だって」

「ちょっと、それどういう意味よ?」

「やめとけやめとけ、もう店に着いたしさっさと入るぞ」



はぁ…… 出来れば間宮さんと2人きりで来たかった、カラオケ以外の場所に。



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