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やっぱり間宮さんは優しい


「ふぅん、そういうわけね」

「うん、そういうわけ! 痛いッ!」



間宮さんは倉石にゲンコツされた。 倉石の奴いくら友達だからって間宮さんにいつもいつも痛そうなゲンコツ食らわせやがって。



「開き直ってんじゃないわよまったく! 西野がしそうにないから西野の分も込めてもう一発ゲンコツしとくわ」

「えッ? え!? ツー君助けッ いたーいッ!!」

「倉石、間宮さんは少し病んでただけだって」



そして倉石は少し遅れて気付いた。



「ん? ツー君って西野の事? あんたら私が知らないうちにまさか……」

「うん! そのまさか!」

「はぁ!?」

「ツー君とお友達になりました!」

「紛らわしいのよ!」



倉石はまた間宮さんの頭をゲンコツした…… こいつ間宮さんに3発もゲンコツしやがった。



「だから間宮さんは少し病んでたって言ってるだろ? 間宮さんが怪我でもしたらどうするんだよ」

「そうだよぉ、あたしの頭デコボコになったらどうするのよ? …… あ、ハンバーガー出来たって」

「僕取ってくるよ」

「んー、ありがとー」



ハンバーガーを取りに行くと偶然にも真下と…… 友達らしき女の子が居た。



「げ、西野に見つかっちゃった」

「ん…… 知り合い? 加奈江」



振り返ったその子は倉石と同じく派手目な見た目の女の子だった。 



「こいつ西野よ。 私と同じクラスのキモい奴」

「ふーん、あんまりそういう風には見えないけどなぁ」



なんだかその子は僕を品定めでもしているかの様に見てきた。 



「ああ、最近はこうだけどちょっと前まで酷かったのよ」

「へぇ、ねぇ西野君だっけ? 私にこんなに見つめられて緊張しない?」

「特に何も?」

「あー、無理無理! こいつはつかさ以外あんま興味ないのよ」

「それで? ハンバーガー持ってくるのにいつまでかかってるのかな?」



気付けば間宮さんが僕の隣に居た。 



「うわ、つかさまで来ちゃったよ。 行こう?」



間宮さんを見た真下は早くこの場から立ち去りたそうにその子を促すが……



「おーっす! お待たせ」

「わりぃ、寝坊した」

「ん? 誰こいつ? てかそこの子マジ可愛いんじゃね!?」



チャラい感じの2人組の男は間宮さんを見てそう言った。 間宮さんが可愛いのは当たり前として僕の間宮さんに気安く話し掛けようとするなよ。



間宮さん人当たりがいいから多分……



「わぁ、ありがとー! 嬉しいな」

「良かったら俺達と遊ばない?」

「西野につかさ、あんたらいつまで何してんのよ?」



倉石もそんなやり取りを見ていたので当然こちらに来てしまった。



「あ、そっちの子も可愛いじゃん! 千尋か加奈江の知り合い?」

「ふーん、結構加奈江の知り合いってレベル高いわねぇ」

「知り合いなら俺らと一緒に遊んでも問題なしだろ? 連れの男なんか微妙そうだし」

「え? そう思う? どんな所が?」



ええ…… 間宮さん何故具体的に僕の微妙そうな所をそこで聞いてるんでしょう?



「まず雰囲気が暗いし遊んでもつまんないタイプだ、こんな奴俺らのノリにもついていけなそうだし居たって可哀想なだけだぜ!」

「はぁ? ちょっと…… 雫?」

「いいじゃんいいじゃん! それで?」



そして男が僕をチラリと見てニヤつきながら僕をディスっていく。 そして……



「てことだからさ、そいつより俺らと一緒に来た方が楽しいって!」

「うーん、そうだね!」

「だろ!」

「やっぱツー君の方がいいや!」



間宮さんはそいつらの前で僕の肩に寄り添って笑顔で言った。



「え? な、なんで?」

「ツー君の悪口しか出てこないあんた達ってないから。 あとそういうノリ好きじゃないし。 ねえ、加奈江もそう思うよね?」

「あ、え? いや、その……」

「ん? なんで加奈江?」

「ほら、ツー君、雫戻ろうよって…… 雫まで来るから席埋まっちゃってるじゃない」

「あーごめん、うっかりしてた」

「じゃあ外で食べようよ? なんか空気悪くなったし」

「あんたっていい度胸してるわね…… まぁ私もそれ賛成だけど。 西野行くよ」



昨日までは間宮さんは病んでたとはいえ辛く当たられる事が多かった僕は今の間宮さんに心の中で泣いてしまった。




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