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連絡先ゲット


走って帰り僕はすぐに望遠鏡から間宮さんの部屋を覗く。 



くそッ! 帰ってない…… あの穢れた男と一体何をしているんだ!? 僕の間宮さんは清廉潔白でなくてはいけないんだ。 



淑女である間宮さんがどこぞの知らん男の魔の手にかかるなんて考えたくもない。



そして僕もあんな男の穢れが移ったかもしれない、見るだけで目に毒だ。 すぐに浄めねばならない。 ザ………… アーメン。



穢れを浄化した後に間宮さんの部屋を覗く。 あれから1時間以上は経った、もう帰ってきているだろう。



ほうら、電気が点いている。 でも間宮さんの姿が見えない…… いや、居た。 死角に居たので気付かなかった。



何をしているんだ? 間宮さん。 コソコソして間宮さんらしくないじゃないか。



もしやあの男と連絡を取っているのでは? そう考えると僕の中からフツフツと負の感情が溢れ出す。



いけないいけない、聖杯を見て心を落ち着かせなければ。 



聖杯とは間宮さんがお捨てになられたジュースの紙コップの事だ。 はぁ、荒ぶる気持ちが落ち着くのがわかる。 流石間宮さんの神々しいDNAが付着しているだけある。



落ち着いた気持ちで再度レンズに目をやる。 



んん? 間宮さん誰かと電話している? 相手は? まさか今日一緒に居た狼藉者か!?



だとしたら許せない、だが間宮さんはそんな子じゃないはずだ、間宮さんの両親は間宮さんをそんな淫らな女子に育てた覚えはない。



だとしたらあの男が間宮さんにちょっかいを出してるに違いない…… つくづく罪深い男だ。



というか間宮さんと電話やメール…… なんて羨ましい、僕も他の人が持つ事は許されない聖杯を手にしているが神器が今ひとつ足りない。



そして僕は気付く。  ハッ! 学校掲示板(裏)! 



間宮さんは良くも悪くも目立っている。 きっと噂も立っている、ここも覗いてみる価値はあるかもしれない。 何か間宮さんともうひとつ繋がれるヒントが隠されているかも。



僕はパソコンを開きサイトへ行く。 やっぱりだ、間宮さんほどの天使なら噂する奴もいる。 女子であろう妬んだ奴が間宮さんへのヘイトをここで打ち漏らしている書き込みもチラホラ……



天使及び女神な間宮さんの悪口を言うなんて許せない、こいつらはコキュートス行き決定だ! 少し荒れ気味なスレを更に僕は荒らす。 間宮さんへの中傷批判は僕が許さない、ネットの中だと僕は強いんだ! メイトリックス大佐だ!



『全員まとめて相手してやんよゴミども』

『何こいついきなりw』

『キモいんですけど』

『暇人なんだよ』

『うるせぇてめぇらも暇人だ死ね!』

『草生えるww もうちょっとまともな語彙力持とうね』

『ガイジなんだろ』

『ガイジと言えば1年に暗くてキモい奴居たよな?』

『あー、居た居た、いつもぼっちの何考えてるかわかんねぇキモい奴』



な、なんだと!? それって僕の事か!? 何故そっちに行くんだ? 急いで違う方向へ誘導しないと! いや、それだと余計怪しいか? 何せ僕自身に被害が及びそうだリアルで……



…… ここは戦略的撤退だ、下手すると自作自演乙! とかやられかねないし。 しばらく僕の話題が消えるまで待つ。 全ては間宮さん、間宮さんのため、えへへへへへ。 こんなに間宮さんの事を想う僕を間宮さんが知ったら僕に対して何か思うかな? いやいや、傲慢は綻びを生むってどっかで聞いたし僕は間宮さんに何か見返りを求めているわけでは……



じゃあ僕はなんでこんな事してんだ? なんで他の男が居るのが許せないんだ? …… 面倒だから考えるのはやめて落ち着くために間宮さんを見よう。



そして間宮さんの部屋を覗きつつしばらく経った頃にまたスレに入る。 ふぅ、落ち着いてるな、何か…… 何か間宮さんに繋がれるヒントはないか?



食い入るように見ていると僕はとんでもない物を見つけた。 間宮さんらしき電話番号とメールアドレスが記載されている、間宮さんだけじゃなく他の女子やイケメン系と言われる男子のものも。



やれやれ、プライバシーなんてあったもんじゃないな、こんなのを晒す奴は人として最低な奴だろう…… だが今は感謝だ! 



何かヒントでもと思ったがまさかダイレクトに間宮さんと連絡を取れるとは、うひひひひ、ヤバい、変な笑いが出てしまう。



僕の携帯に間宮さんの連絡先を密かに入力する。 



はぁぁあッ! 天使が…… 天使が僕の携帯にまで! こ、これはなんだ? 携帯が眩しい、光り輝いているようだ! まさしくこれは神器!



かつて神がモーセに与えたもうた石版のうちのひとつに違いない。 やはり間宮さんは天使で女神だったのだ。



さ、さささささ、さっそく女神と交信をせねばばばばばッ…… くッ、指と手が震える、鎮まれこの右腕! 



そんなこんなをしているうちに間宮さんの部屋の電気はふっと消えた。 気付けば午前0時を過ぎていた。



ふッ、急ぐ事はない。 この新しい神器を手に入れた事を今は喜ぼうじゃないか。




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