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間宮さんが木ノ下で木ノ下が間宮さん!?


「ここなら落ち着ける。 あ、適当に入った所だから会員証作るようなんだ。 身分証持ってないや……」

「あ、なら学生証持っているのであたしが作りますね」

「ああ、助かる」



カードを作り終えた木ノ下はこちらに寄ってきた。 その時ポロッと持っていた学生証を拾おうとしたら木ノ下も拾おうとしてゴチンと頭がぶつかった。



い、いてぇ…… 見た目によらず石頭かお前は! 



サッと木ノ下は頭を押さえて学生証を拾い上げる。 



「あ…… だ、大丈夫ですか!?」

「痛い…… って木ノ下は平気なの?」

「え? あ、痛かったです、えへへ」



何その適当なリアクションは?



「拾ってくれようとしたんですね。 ありがとうございます」

「別に。 まぁそれくらいは……」



でもだんだんと可愛く思えてきたからちくしょう!!



「あたし漫画喫茶には1度しか行った事なくてもう一回来てみたかったんですよねぇ」

「そっか、じゃあここにしばらく居ようか。 時間も潰せるし」

「え?」

「は?」

「あ、いえいえ、あたしといっぱい一緒に居てくれるんだなぁって嬉しくて」



間宮さんそんな事でそんなにほっこり笑っちゃって可愛いなぁ。 こいつは木ノ下ではない、ちょっといつもと違う間宮さんと思う事にしよう。 



そうだよ、これといった設定もなかったのに想像力が凄ェ!!ってだけで無双する主人公が居る神漫画もあったしな。 僕も見習おう。



「部屋は一緒ですし…… うふふッ」



間宮さんなんだかとても機嫌が良さそうだ、そんな間宮さんを見ていると僕も心穏やかになるよ。



「本選ばないの?」

「西野君が選んだもの一緒に読みたいです」



仕方ないなぁ、僕は何冊か適当に本を取り間宮さんと一緒に部屋へ行く。



狭い部屋だけど今はとてもそれが嬉しい。 なんせ間宮さんを身近に感じられるし。



僕が読んでいると僕の肩に寄り添って間宮さんは隣から本を覗き込む。 ぶっちゃけそれで読んだ気するの? と思うけど間宮さんは僕にくっつきたいだけなんだろうと思った。



身を寄せ合いたいなんて2人ともなかなか言い出せないのでこの状況を利用しているなんとも可愛い計算の間宮さん。



「面白いですね!」

「そうだね」



絶対見てないよね? だって僕の横顔に視線感じるし……



夢のような時間だったので時間の流れが早く感じた。 あっという間に終了時間になり満喫を後にする。



その後間宮さんとブラブラと街中を散歩する。 普段引きこもっている事が多い僕はすぐ疲れてしまう。



「もう夕方ですしご飯どこかで食べましょう?」

「あー、そうしよっか」



ファミレスに行き間宮さんとメニューを見ていると隣にも間宮さんが来た。 あれ? 間宮さんが2人? ええ!? ほ、本物?



「西野君偶然!」

「あんたも来てたのかよ? てかそっちの子、まさか……」



倉石は間宮さんともう1人の間宮さんこと木ノ下の顔を交互に見る。



「凄いね、ここまでそっくりだとあたしじゃなくて木ノ下さんがあたしの代わりやっても誰も気付かないよねぇ」

「ほんとほんと! マジで同じじゃん!」

「お…… お褒めいただき光栄です」



木ノ下は物凄く間宮さんと顔を合わせ辛そうだ。 



「てかなんでそんなつかさになりきってんの? まさか西野…… あんたの事だから」

「あ! 違うんです、あたしが間宮さんみたくなったら西野君の気が引けるかなって思って出来心でつい…… もうしませんからごめんなさい!」

「えー、あたしは別にいいんだけど?」



間宮さんは面白がって木ノ下の隣に座った。 そして倉石は僕の隣に座る…… おい! 僕の隣は間宮さんだろ!



「うわぁ…… 双子みたい」

「ひえッ! 滅相もありません!」

「わぁー、凄いね雫!」

「いやぁ…… まぁ確かに2人並ぶと面白いかもね、間違い探しみたいで」



間宮さんと並ばせても木ノ下の間宮さんの真似は見劣りしないほどだ。 ホクロ隠して同じ髪型にしたらどっちが間宮さんかわかんないな。



「ねぇねぇ、あたしの家に木ノ下さんが帰れば? ねぇ」

「あははッ、バレなかったら木ノ下さんが明日からつかさだね!」

「ああ、逆に考えるとあたしも木ノ下さんになれるんだね」

「そういやそうだね。 木ノ下さんもつかさの真似したんだからつかさも木ノ下さんの真似してみなよ?」



そんなノリで木ノ下の持っていた眼鏡やらなんやら借りて間宮さんはおさげにして眼鏡を掛けてみて化粧している分を引けば確かに木ノ下だった。 




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