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木ノ下……


倉石とショッピングして昼食を食べ終えそろそろ帰ろうってなった時、僕はせっかくなので聞きたい事があったのだった。



「ええとさ……」

「ん? 何? お礼ならいいわよ」

「そうじゃなくて」

「じゃあ何よ?」

「間宮さんの中学生の頃ってどんなだったか聞いてたりする?」

「つかさの? …… うーん、そういえばあまりないかも。 私つかさとは高校からの友達だし。 あ、ほら! アルバムとか見せてもらったら?」



間宮さんに僕がそんなストレートに言えるわけないだろ! 



「んー、じゃあ今度そのうち私と一緒につかさの家に行ってみる?」

「な、なんだって!?」

「ちょッ、いきなりテンション高いってば! でも私はいいと思うけど西野入らせてくれるかなぁ? ただでさえ覗きしてたあんたを入れたいなんて。 …… まぁつかさならわかんないわね」



初めて倉石が有能に思えた。 そうか、こういう風に倉石を効果的に使っていけばいいのか! 



「まぁー、あんまり期待はしない事ね。 それとつかさの事が好きなら木ノ下にハッキリ言って諦めてもらいなさいよ?」



あ…… 木ノ下。 僕がメッセージを返さなくても毎日おはようとおやすみなさいとあいつから来るんだ。 本当怖い奴だよ。 



あ、倉石って何かあったら頼りなさいよって言ってたよな、なんとかしてくんくいかなぁ?



「毎日こんな風に送られてくるんだ」

「うん?」



僕は倉石にLINEを開いて見せると顔をしかめた。 



「これは…… 既読スルーなのに毎日送ってきてるね。 しかもなんかあった時はあんたがシカトしてても呟いてるなんて重症ね、ここはキッパリ言った方がいいわね! 予定変更!」

「え? 予定変更?」



倉石は僕の携帯を操作して何やら文字を打っているようだった。 そしてポンと携帯がなる。 こ、これはまさか送信!?



「今から会えないか?って送っといたよ」

「え? ええッ!?」



なんでそんな余計な事を……



「あ、すぐ返信きた。 凄い好かれよう…… OKだって。 じゃあ待ち合わせはと。 あ、私も居るって事は伝えといた方がいいわね」



こいつ何勝手に話進めてんだよ? 倉石から携帯を奪い返そうと手を伸ばすがサッと避けられる。



「ちょっとー、邪魔しないの! 私も協力してあげるんだから」

「いや、いいよ!」



強引に身を乗り出し取ろうとしたら倉石は手を後ろに引いてしまって僕の手があろう事か倉石の胸に……



「にーしーの…… 一度ならず二度までも。 あんたよっぽど私の胸触りたいようね?」

「あ、いや。 ごめん、間違いだって。 それに倉石の胸だし」

「はぁ!? 私の胸だと何か不満があるわけ!! 友達になったんだから大目に見てあげるけどあんたのその態度!」



倉石にめちゃくちゃ説教された。



そして罰として倉石の予定通り木ノ下に会う事になった。 某ファミレスで待っていると……



「あ、来たわよ。 おーい、こっちこっち」

「はうッ!! 西野君……」



木ノ下が僕を見てなんか驚いていた。



「どうしたのよ?」

「西野君会う度にカッコよくなってる……」



あ、そうだ。 服着替えたんだった、倉石にせっかく買ったんだからそのダサい格好より買った服着なよと言われて……



「あー、これはいろいろと……」

「まぁとりあえず座りなよ?」

「はい」



木ノ下が座るとオズオズと木ノ下は僕に視線を送る、その視線が痛くて僕は隣に座った倉石へと視線が行った。



「はぁ。 木ノ下さん単刀直入に言うわ。 こいつさ、木ノ下さんのLINE少し煩わしがってるのよ」

「ええ? 西野君そうなの?」

「うん、まぁその通り」

「でね、西野にはもう心に決めた人が居てその人以外からの好意とかは迷惑ときてるわけよ。 腹立つわよねぇ西野のくせに」



いや、倉石の私情はどうでもいいだろが。



「それは…… 聞いてました。 間宮さんですよね?」

「そう、つかさにメロメロだからあんまり西野にはそういうの期待しない方がいい。 って私がなんでこんな事言わなきゃなんないのかしらね」

「な、なんか2人とも仲良いんですね? いいな……」

「いやいや、私とこいつはただの友達だから。 ん? そうだ、木ノ下さんもこいつと友達になっちゃえば? 今までふんわりとしたよくわかんない関係だったから余計に先走っちゃうんだよ、ね? 西野」



はぁ? 僕に振るなよ…… でもまぁ僕が間宮さんに首ったけって事は間宮さんの友達でもある倉石からも伝わったのでわかってくれるよな? てかわかれよ? 



「そうですね…… そこから始めます」

「お、話わかるじゃん! でも西野が誰が好きとかそういうのはこいつ自身の事だから出来るだけ尊重してあげてね?」



お前はなんだ? 僕のオカンか? おせっかいもいい加減にしろよなんて思っていたが僕が言いたい事は倉石が全部言ってくれるので非常に楽だった。 



「じゃあまぁそういう事だからさ」

「あ、でも朝と夜とたまに送ってるLINEは今まで通りでいいですよね?」

「え?」

「既読になってると読んでくれてるんだなって嬉しくて、えへへ」

「…… あ、ああ、それくらいはいいよね? 西野!」



嘘だろ? どんだけ無意味な事したいんだよ木ノ下の奴は……




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