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おかしいですよ間宮さん!


「西野なんかスッキリしたな」

「本当、なんかよくわかんないけど良いんじゃない?」



休み時間に真下と坂田が話し掛けてきた。 な、なんでこの2人? やっぱり僕に鉄拳制裁された事をやっぱり根に持ってるの? 



「あー、加奈江と涼太君もそう思う?」

「う、うん。 前から短くしたらいいんじゃいかなって思ってたから」

「俺も俺も」

「へぇー、つかさ以外に高評価なんて。 ていうかなんであんたら?」

「別になんの意味もないよ。 ただ良いって思っただけじゃん、ねぇ?」

「そうだな、それだけだよ」

「私はつかさに巻き込まれただけだけど珍しい事もあるもんね?」



何か見えない力が働いているような気がするけど少しでも馴染めるようにと間宮さんの優しい心遣いだろう。



「うふふッ、西野君の良さをわかってくれるなんてあたしとしては嬉しい限りだよ。 良かったね西野君! あ、佐伯君! どうかな?」

「え? ああ、西野ね。 急にイメチェンなんかしてどうしたんだ?」

「似合ってるしカッコよくなったよね!」



間宮さんは佐伯に近付いて腕に胸を押し付けてそう言った。 さ、佐伯の奴…… なんて事を!!



「お、おお…… 似合ってるよな! なんか心なしか見た目爽やかになったな」



ちくしょう! 言わされてる感が半端ない…… でも間宮さんは僕のために言わせてるんであって決してビッチなんかじゃない。



間宮さんは僕の机の端に両手を置いて僕に顔を近付けた。 ふわわわッ、なんて良い匂い……



「昨日のデートどうだった?」

「え? デート!?」

「西野が」

「嘘!?」



佐伯と真下、坂田が嘘だろ? という顔をする。 



「西野が女の子とデート…… ねぇ。 どんな子? 可愛い?」



佐伯ぐいぐい聞いてくるなよ。 僕は間宮さんしか興味ないんだから。



「うん、あたしそっくりな子だよ」

「え? それってつかさちゃんじゃなくて?」

「ううん、ねぇ雫」

「はぁ、あんたの言い方紛らわしいのよ。 まぁ確かにつかさのそっくりさんだけどさ、つかさを西野みたいにしたような感じだよ」

「つかさちゃんを西野に…… ああ、うん、それもアリだな!」



何言ってんだこいつは? 



「つかさちゃんにそっくりならつかさちゃんと付き合っているみたいなもんじゃないか、見た目変えさせればつかさちゃんの出来上がりって事だろ?」

「なんか考えやらしー。 あたしにしてどうするの?」

「あははは、例えばだよ」



というより僕の周りにこんなに人が集まるなんて…… 佐伯も来た事と間宮さんが大きめの声でデートと言ったお陰か僕に周りの視線が感じる。 



僕じゃないかもしれないけどな…… なんだかんだで間宮さんは凄いや。 やはり僕を導いてくれている。



「つかさちゃん、そういえば今日みんなで集まるんだけどつかさちゃんも行かないか?」



バカだな、間宮さんはそういうのはあまり好きじゃないんだ。 バカなパリピどもがバカ騒ぎなんてする場所は間宮さんに相応しくない。 どうせ断られても爽やかな顔するんだろうけど内心悔しいに違いない佐伯ざまぁ!!



「んー、いいよ」

「マジで? よっしゃ!」



………… は? 幻聴かな? 今耳を疑うような事を間宮さんは仰ったぞ?



「ま、間宮さん?」

「なぁに? 西野君」

「…… な、なんでもない」

「そう。 それで? 誰来るの?」



間宮さんは佐伯とバカの集団のバカ騒ぎについて話し始めた。



嘘だ嘘だ! 間宮さんがそんな場所に行くなんて何か考えがあるに違いない、僕に関係ある事で……



だけどなんだ? この間宮さんが遠退いて行く感じは…… ついさっきまで間宮さんが近くに感じられたのに今は佐伯の側に。



そして間宮さんが佐伯に話し始めたところで真下も坂田も去っていった。



「西野落ち込み過ぎじゃない? また負のオーラ出てるわよ? そんなんじゃせっかくつかさが盛り上げたのにまたぼっちだよ?」



いや、倉石に慰められても僕は何も響かないんですが? てか倉石は行かないのかな?



「間宮さんと行かないの?」

「うわッ、だんまりかと思ったら。 あんたに直接話し掛けられるの初めてなような…… いつもつかさが介入してたしねぇ。 まぁそんなのどうでもいっか。 私? あー、ナンパウザそうだから私は勘弁」



ナンパ!? 飲み食いして騒ぐだけじゃないの? 



「そ、それって……」

「まぁつかさはわかんないけどね。 でも行く気あるみたいだしどうかな? そんなに気にならなら一緒に行けばいいじゃない。 つかさはあんたに激甘だしいいって言ってくれんじゃないの?」

「そんな所に行くキャラじゃない」



そう言いうと倉石は吹き出しそうになるのを手で押さえた。



「ぷくくく…… 真顔でそんなキャラじゃないとか痛過ぎ。 ごめッ、やっぱキモいわあんた。 ププッ」



このクズ野郎! いや、クズアマ! 僕が真剣なのになんだそれは! それで間宮さんの友達か!?



「くく…… ふぅ…… 危なくバカ笑いするとこだった。 ってなんだよその顔は? ごめんって言ったじゃん。 そんなに気になるなら後をつければいいじゃん。 あんたならやってても不思議じゃなさそうだし」



ギクリ…… やっぱ僕ってそんな風に見えるのか? 



「そんなストーカーみたいな事したくない」

「えー? 面白そうじゃん? 一緒に尾行してみない? つかさの事」

「え?」



いきなりどうした倉石……



「ナンパはウザいけどイケメン来るかもしんないしねぇ。 居たら飛び入り参加しようかしら」



このビッチめ! 



「どうする?」



どうするってこいつが居ると気付かれそうだけど…… でもやっぱり間宮さんが他の男と仲良くするのは許せないし。



「じゃあ…… 行く」

「ん、決まりね」



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― 新着の感想 ―
[一言] ・・・・・・・な、なんという誰特な主人公なんだ・・・・・・・
2019/11/18 17:05 退会済み
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