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鉄拳制裁!?


「ええと…… つかさ?」

「間宮、どういう事だよ? 俺達悪かったなって思って謝ろうと……」

「それはあたしに対してだけ? 西野君には謝る気ないの?」

「そ、それは…… 」



坂田がチラッと僕の方へ向くが真下と同じく少し冷めた目線だ。



「あたしの事はどうでもいいの。 あたしが怒ってるのは西野君に対する非礼の事なんだから」

「だ、だって西野だよ? こんな奴だよ? あんただって西野と組んで恥ずかしい思いしたじゃない!?」

「はぁ〜、あたしの話聞いてないようだね2人とも」



そう言って間宮さんは携帯を取り出して真下に何かを見せたと思ったら真下の顔が青ざめた。



「つ、つかさ! それは!?」

「加奈江〜、こんな事してたんだね? いけないんだぁ」

「あんた…… なんでそれを?」

「うおッ…… マジか加奈江」



坂田も間宮さんの携帯を見て驚く。 なんなんだ?



「加奈江って2組の中原君の事好きだったよね? こんな事してるってバレたら中原君どう思うかな?」

「…… つかさッ! あんた!」



真下が間宮さんから携帯を奪おうとするが間宮さんはサッと手を上げて躱す。



「おっと、危ないじゃん? 危なく中原君にこの画像送信しちゃう所だったよ」

「だ、ダメッ! それだけはダメ……」

「加奈江」



シュンとした真下に間宮さんは近付いて顔を覗き込んだ。



「こっち向いて? 加奈江」

「つかさ……」



真下が間宮さんの方を向いた瞬間だった、間宮さんは真下にビンタをしていた。 



その光景に僕と坂田がビクッと驚く。



「え…… ?」



頬を押さえ真下はパチクリと間宮さんを見上げた。 



「これじゃあちっとも反省が見えないなぁ。 やっぱり西野君にやってもらった方が自分のした事心から反省できるよね?」

「ま、間宮? 何言ってるんだ? 加奈江に何すんだよ!?」

「涼太君、あなたもだよ?」

「え?」



間宮さんは携帯を操作して今度は坂田に画像を見せると坂田も青ざめる。



「は!? こ、こんなのいつ撮ったんだ?」

「涼太君のパパって厳しかったよね? こんな事してていいのかなぁ? ふふッ」

「お、おい!」

「ストップ! あたしに何かしようとするなら大声出して先生呼ぶよ? それこそどうなるかわかるよね?」



坂田が怯んだ時今度は裏手で間宮さんは坂田をもビンタする。



て、天使だよね間宮さんは? 後ろ姿しか見えないけど…… だけど今の間宮さんは悪魔にしか見えない。 僕はわけがわからなかった。



「2人にはガッカリだよ、全然西野君には謝る気ないんだもん」



2人は間宮さんを見て怯えていた。 



「西野君」

「は、はい!」



そんな中で間宮さんにいきなり呼ばれたのでビックリする。



「この2人やっちゃっていいよ?」



間宮さんは満面の笑みで僕に振り向いてそう言った。 



やっちゃう? やっちゃうって何をですか? 



「ほら、2人がしっかりと反省してもらう必要あるからさ! んー、聞かない子供には鉄拳制裁!」

「鉄拳制裁ッ!?」



僕がこの2人に!? 



そんな言葉が出てくるなんて間宮さんを信じられないという眼差しで見る真下と坂田、そして次に2人は僕を見る。



「ほら、西野君こっち来て?」



間宮さんが僕の腕を掴んで2人の目の前まで連れて行く。 僕が目の前に立つと2人は僕に対して明らかに怯えていたように見えた、この僕に対してだ。



「じゃあ一発行ってみようよ? まぁ加奈江は女の子だからビンタでもいいよ?」

「に、西野、ごめん! 謝るから! だから許して!?」

「だーめ! だったら最初に西野君に謝るべきだったね。 もう遅いんだから」



間宮さんは後ろから僕の手を取った。



「ほら、一気に振り下ろすんだよ?」



僕の耳へと優しく息を吹き掛けるように間宮さんは囁いた。



「あたしは西野君の天使だよ、西野君を守ってあげる」



間宮さんは天使。 そんな間宮さんの行動は僕のため…… 今この瞬間も。



間宮さんによって謎のデバフが掛かった僕は真下に向かって手を振り下ろした。 バチンと音と共に真下が崩れ落ちた。 き、気持ちいい!



「わぁ、よく出来ました西野君! 次は涼太君だね!」

「うん」

「な、なぁ、マジかよ? やりすぎじゃねぇか?」

「涼太君達みたいな人に言われたくないよ。 涼太君は男の子だからグーで良いよね?」



間宮さんが笑顔で坂田にそう言うと僕の手を包んで拳を握らせた。



「じゃあいっちゃおうか西野君!」

「や、やめッ、へぶぅッ!」



僕は坂田の顔面にパンチを浴びせた。 な、なんて気持ちいいんだ、さっきの真下のビンタといい……



僕は心の底から晴れ晴れとした気分になれた。 中学生の時僕をいじめていた連中もこんな気分だったのだろうか?



「気が済んだ西野君?」

「え?」

「ん? その顔はまだ仕返しし足りない? もっとする?」



僕と間宮さんが2人を見ると2人はとても僕達を怖がっていた。 そんな様子が僕の気分を更に高揚させる。 その時背後から人の気配がした。



「あー、残念。 もうお弁当食べ終える時間だからここら辺にも誰か来るよねぇ。 消えていいよ加奈江、涼太君。 言わなくてもわかると思うけどもし今後西野君の事悪く言ったら……」

「わ、わかった! 西野、ごめん!」

「私もごめんなさい西野…… だからつかさ、お願い。 画像消して」

「それは今後加奈江と涼太君の動向次第かな。 じゃあ消えて」



2人は僕らの前から姿を消した。



「間宮さん……」

「西野君! 良かった!」

「え?」



間宮さんは僕の頭を自分の胸に埋めた。 



間宮さんのむ、むむむ、胸! なんて柔らかくていい匂いで気持ちいいんだ。



「あたしがしっかり守ってあげるからね西野君、ふふふッ」



僕はとんでもない事をしてしまったような気がするけど間宮さんの胸の中にいるうちにどうでもよくなった。



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