なんだか心が温かい。
俺は今達久と一緒に東棟三階の鍵の開いている教室を一つ一つ覗きながら歩いている。
どうして俺らは今こんな事をしているのかと言うと、
宮舞先生のペット探しをしている。
「なぁ達久」
「ん、どうした?」
「宮舞先生のペットって犬か?猫か?それともネズミ?」
「いや優哉くんハムスターをネズミと表現するのはいかがなものか?」
「いやぁハムスターもネズミも一緒だよね?」
「ん?お、おうそうなの、か?」
「ああ、そうさ」
「そうだな、きっとそうなんだろう!でだ、確か宮舞先生のペットが何なのか?だったっけ?」
「ああ」
「えーっとなぁ・・・・ん~あれなんなんだろ?」
歩くのをやめて、腕をくみ首をひねる達久。おいおい、どんなのか思い出してくれないと探している意味ないぞ。
「まぁ、あれは多分見ればすぐわかるぞ」
「ふーん」
まぁどうせ犬猫か、鳥にネズミだろう。
「あっ!そうだそうだ!」
達久がなにかを思い出したとばかりに手を打つ。
「これ渡さなきゃいけねーんだったわ!」
そういって俺の手に達久は何かを置いてくる。
「あの~これ、なに?」
俺の手の置かれていたものは黒く重たい、そしてスッゴく危ないものに感じるのは俺だけか?警察に見つかったら即逮捕されそうなもの。
「これ、銃だ・・・・」
「それは宮舞先生の特製拳銃、通称『バCUN君』だ!」
そうか、そうか。
「おいっ!あの人は生徒に何持たせてんだよ!バキューン君・・・・」
「違う違う、バCUNE君だ」
「ば、バCUNE君?」
「よろしい!」
「どーでもいいよ!そんなの、あの先生何で自分のペット捕まえろって言っておきながら俺らに銃持たせてんだよ!」
「銃じゃないバCU・・・・」
「だからそう言うのはいいって言ってるでしょうが!!」
「おいおい浮気と勘違いをしてヒステリックにキレる彼女か?お前は?」
「えっ?なにそれ分かんない!彼女居たことないからわかんない!」
「まぁ、聞けってこのじゅうはさぁ、打って出てきた弾に当たった相手はね内臓のみが灰に変わるんだよ」
へぇー内臓が灰に変わるのかー、へぇー。
「だから!殺しちゃ!ダメだろうが!バカか?」
「バ、バカはないだろ!まぁ本当に最後まで聞けって宮舞先生のペットはな?寿命で以外死なないんだよ、スゲーだろ?」
なにそれ本当にスゲー!
「えっそんな動物ペットショップにいたの?え?内臓灰になっても死なないって最強か?」
「まぁ強いからバCUNE君を先生は俺達に渡すんだろう。あ、あと先生のペットは先生が合成して作り上げたんだと、それに言い方間違えたけど死なないんじゃなくて、死ぬけど再生すんだ」
あ、さいですか。
「えっ?そんな生き物を先生作ったの?スゲーよすごすぎだよ!」
「ああ、確かにすごい人なんだけど、そのすごさの使い方を間違ってるんだよ先生は」
「んーやっぱり入部するのやめようかな」
「?何いってんだ?優哉はもう俺らと同じ『人生楽しんだもん勝ち部』の一員だぞ」
「おいおい!なんだそれ俺まだ入部届け出してないし、お前らに入る宣言してないぞ!」
「あれっ?おっかしーなーリーダーは入部したって聞いたんだけどなー」
綾瀬さん何いってんだよー!
「とりあえずだ、今はまだ決めている最中なんだもう少しまってほしい」
「そーかい、なら決めるまで俺らの部室に遊びにこいよな」
と、言いながら俺に達久は優しく笑う。
その優しさに俺の心が少し温かくなった。
「ありがと」
「しっ!」
ありがとうと、最後まで言わせてもらえずに達久は俺の口元に人差し指を当てる。
「なんだって」
「あっち」
また途中で遮られながら仕方なく達久の指差す方を見る。
「うっわ!なんだありゃ」
そこにいたのは扉がなくなっていて、中は荒らされた教室と謎の黒い物体がそこにはあった。
「グガアアアアアアアアアアアアアッ!!」
まだでてこない宮舞先生のペット。