ケイドロ最終決戦
今大切なテスト期間中です。
「ねぇ、達久くんや今何時かな?」
冷たく低い声で俺はいかにも機嫌が悪いですよアピールをする。
「え、えっと~ですね、自分今携帯電話をカバンの中に忘れてきてしまってですね・・・わかりません。すいません・・・」
そんな俺にビクビクしながら敬語で答える達久。
なぜ彼が俺にたいして敬語でビクついているのかというと・・・前回の話を見た人ならわかるよね?
「たくっ仕方ね、自分の出すか」
えっ?自分の持ってんじゃんって?そりゃ持ってるよ、だって携帯電話だし携帯しなきゃ意味ないし。
薄暗い茂みの中にいたせいか、携帯の画面の光がすごく眩しい。
眩しい光を隠すように目を手で覆う。
目が少し慣れて、携帯の画面を覗きこむ。
5時30分。確か始めたのは5時丁度だったはずだ。
で、終了時間は~あ、綾瀬さんから聞いてないな。
あ、達久いんの忘れてた。
「なあ、これって何時までやるの?」
「え、えっとですね。完全下校の前には終わってないといけないので、たぶん5時50分くらい、ですかね~・・・」
あと20分じゃねーか!ぐぬぬぬ!なんとかにげたいんだが・・・
「どうしたもんかな~」
「あの~」
達久が何か案があるみたいに軽く手を挙げる。
「なに?ろくでもない案なら、陰谷さんの前にお前を提出して逃げてやる」
「ひっ!」
青くなる達久。どんだけ怖がってんだよお前は。
「で、なに?」
「あ、あのですね、俺がリーダーと大島くんをですね・・・」
「うんどうするの?」
「俺が睨みつければ逃げれると思います」
「よし!陰谷さんに交渉でもしに行くか」
「な、なんでだよ!ですか!お願いします、最後まできいてください!」
え、なんだよ、完璧お前を陰谷さんにつき出せば俺逃げれるじゃん。どんなことにも犠牲は必要だよ達久くん。
「まぁ心優しい俺はお前の話を聞いてやる」
「ありがとう」
「で、達久が綾瀬さんんたちを睨めばどうなるってんだ?」
「少しの間動きが鈍るかと・・・」
「さあーて行こうか達久くん、陰谷さんは君を待っている」
俺は達久の襟首を掴み強引に引っ張る。が、
「ほ、本当だって!です!あいつら結構ビビりなんだって!」
達久は近くに生えていた木に抱きつき必死だ。さすがに陰谷さんが可愛そうに思える、まぁほとんど陰谷さんの自業自得なんだけども。
「わかったわかった、そんなに推すならやってみるかー」
確かに達久の目力は見たことがある。やってみるだけの価値はあるかもね。我は俺もちょっちビビっちまったしな。
不安がないと言えば嘘になるが今はそんなことは言ってられない。
綾瀬さんたちがいつせめてくるか分からないんだからこっちが先手をとらねば。
俺は指示をだす。
「いくぞ達久!あいつらに恐怖をあたえてやれ!」
「らじゃー!!」
そして俺たちは勢いよく茂みから飛び出す。そして達久が綾瀬さんと大島くんの方に目を向け、軽く目を閉じて、それと同時に俺は陰谷さんをみはる。
「今だ達久!」
達久は閉じた目をゆっくり開き彼女たちと目を合わせ睨み付けて彼のアドリブの一言。
「潰すぞ」
作戦は成功したのだろうか、後ろを向いていたから分からないがまぁ騒がしい綾瀬を睨み付けるだけで静かにしていたしな。そう思ったとき、肩がポンポンと叩かれる。
「優哉さんよー・・・・」
焦ったように声をかけてくる達久くん。
「やったか!?」
「すまねぇー・・・・優哉」
くそ!やっぱり失敗したか、あ~あ後少しだったのにな。と、俺は綾瀬さんたちを見た。
そして俺は目を大きく開くはめになった。
綾瀬さんは目を隠すためか、アニメの熱血キャラの目みたいな柄が入ったアイマスクを着けていた。
大島くんは・・・?大島くんキャラかわった?前髪はカチューシャであげていて(結構大島くん目がつり上がってて鋭いな)、ブレザーを脱ぎワイシャツの第三ボタンとネクタイを外していた。
もう完璧見た目は不良その物だった。
「な、なあ達久あいつって大島くん、だよな」
さっきまでの彼を見た俺は今かなりの衝撃を受けている。いちをの確認のため達久に聞く。
「ああ、あれは和俊第三形態だ」
なんだよ第三形態って、そんな思いを読み取ってか達久は続ける。
「和俊には五つ形態があってだなさっきまで優哉が見ていたのが第一形態、そして今のは第三形態あれになった和俊は今の俺たちの中で止められるのはリーダーか、鳴美と、佐倉くらいだ」
お前以外止めることは出来るんだふーん。ちっ!そんなのズルくないか?まぁ俺らもにた感じのことしようとしたけど。
「綾瀬さんはアイマスク、大島くんはそのなんたら形態」
「第三形態な」
うるせっ!わかってるよ。わざとだよくあるだろほらあれだあれ。
「その第三形態になってて、陰谷さんはもともと通用しない、じゃあもう詰んでんね、俺たち」
「そうねダーリンはチェックメイトね」
「うおっ!」
いつの間にか近くにいた陰谷さん。彼女は腕を大きく横にはらい俺はなんてか後ろに飛びよれることができた、が、達久は反応が遅れ、
「ダーリン確保」
捕まってしまった。
「たつひさ──────!」
達久が捕まってしまった、くそっ!いいやつだったのに!・・・・まぁ陰谷さんが達久を捕まえてくれたことにより俺の逃げ道が開き、
「あばよっ!綾瀬さんや!」
「さ、させないわよ!」
よし、このままいけば逃げられる。俺たちの勝ちだ!
そのときだった。ドンッ!と俺は曲がり角から突然現れた誰かにぶつかり倒れこむ。
「いっつつ、すみません大丈夫、って宮舞先生っ!」
「いてて、ん?やぁ鈴峰くんかなんか久々だね。じゃあなくて走るなら曲がり角はちゃんと確認しないと危ないぞ」
「すいません」
よろしいと宮崎先生。あっと早く逃げなくては。
「ぐぇっ!」
走りだそうとした俺の襟首を先生に引っ張られる。
「ゲホッゴヘッ!な、何ですか?何するんですかー!?」
早く逃げないと逃げないとってのに・・・・。
「いや君はどこに行こうとしているのかな?」
「はぁ?どこってケイドロしているから逃げないといけないんですが」
この人はなにをいってるんだ?
「この人ななにをいってるんだ?みたいな顔をするのはやめてくれないかい、なんか腹立つ」
なんでわかったの?俺って結構顔に出やすいのか?
「君たちがケイドロをしているのは分かっているよ、私は今君に呼ばれたからきたんだよ、なにかいもしかいてイタズラだったのかい?ならもうちょっと考え」
本当に何を言っているんだこの人は─────。
「ちょっと待って下さい!」
「?」
「俺は先生をここに読んだつもりも、イタズラもしてないですよ」
「・・・・はぁ?何を言っているんだ君は、だって、ほら私の携帯に君が読んでるってメールが」
「えっ、ほんとだ。で、でも俺は先生を読んだ覚えは無いですよ」
「んーじゃあ誰が?」
ん?
「先生!ちょっとそのメール見せて!」
「ん、んああ構わないよ」
そう言って俺へ携帯をぽいっと投げる。もうちょい大事にしろよ、そうじゃなくてやっぱりだ。
このメールにあるメアドの番『komati1224@××××』。
こ、ま、ち?こまちか、こまちーこまちー。
確か綾瀬の名前って確か綾瀬────。
「やっと気付いたいつまで待たされるかと思ったわよ!」
「うひゃう!」
後ろには綾瀬さんと大島くんが立っていた。(やっべ変な声でた)どうやら待っていてくれたらしい。
「こまいって、もしかして」
「覚えててくれてありがとっ!そうよ私の名前は古町!綾瀬 古町だよ!」
俺ってばかだろ!この状況で俺の名前を使ってメールするやつなんて綾瀬さんチームの誰かしかいないだろうがー!もう達久にバカなんて言えねーな─────。
試合終了
今の時間は5時35分。
そして綾瀬が俺たちチームドロにくだした罰ゲームは────。
次回のお楽しみ!
次回は罰ゲーム編見てくださいね!