これは遊びか?いいえケイドロです。
やっとできました!
「優哉ーー!!」
どこからか俺を呼ぶ声が聞こえる。
俺はこの声をしっている・・・いや知っていて当たり前だ。
だって彼は同じケイドロのチームで、そしてここに来て初めての、一番目の友達である、
「達久」
夏目 達久だ。
「優哉!いまどこにいんだよ!」
少し声がうわずっていたけど、急いでくれるのは嬉しいが、ごめんこんな状況だけど笑ってしまったことをお許しください。・・・あっでも、さっきまで笑ってた足が治ってる!
「うおっ!」
大島くんが飛びかかてきた、達久が来る前に立てないであろう俺を捕まえようと思ったらしい、勢いある顔を見ればわかる。
俺はそれを横へと足と手を使い横へと飛ぶことによりギリギリで避けること出来たが、すぐに俺は大島くんから左手が伸びてきていることに気付き、それを体を無理に捻ることでなんとかかわせた。
反射神経ハンパェーな!おい!(あと俺も)
体を無理に捻ったせいで腰がすごく痛い!だが助かりたい俺が、まずしなければいけないことは!
「くっ!達久ー俺は三階だ!」
「りょうかーい!!」
逃げきれる可能性がでてきた!たがあくまでも可能性に出てきただけだ。
「はやく捕まえなくちゃ!」
やっぱり来たか大島くん!
低い体勢で飛びかかってくる大島くん。
くそっ!ここは後ろに下がるべきだな。俺は後ろに飛ぶことでなんとか大島くんから避けることができた。しかし、彼の腕のリーチはかなり長く、ギリギリかわせたものの判断が少しでも遅れればアウトになっていたかもしれない。
「うっわ!あぶねー」
「うおおおおおー!!!」
「ちっ!」
達久の雄叫び、もうそろそろつく頃だろうか?はやく!今の俺にはお前が必要なんだ!
「はやく!はやく!」
大島くんの連続攻撃、右へ左へ彼の手が伸びてくる。これもまたかわすのがやっとだ。
周りに気が回せなかったのもあるが、大島くんの攻撃を避けていた俺は気づかなかった!
「うおっ!」
俺はなにかを踏んで盛大に転ぶ。
「なんだってん・・・だ」
俺はその何かに目線を向け絶句する。
「バナナの皮・・・だと!」
そうそこにあったのはいい感じに熟したであろうバナナの皮がありました。
「バナナの皮で転ぶとかアニメか、漫画かよ!!」
じゃない!ヤバイヤバイヤバイヤバイ!
「あと少しだったのに!」
「鈴峰くん捕まえ・・・」
捕まったと諦めかけたそのときだった─────。
「優哉ー!」
達久!おそいよー!でもありが、たくねー!
「おーい!優哉くーん!助けてー、ってあれ!和俊いるじゃん!」
「お前!ふざけんなー大島くんでも精一杯なのに、なのに!───陰谷さんつれてきてんじゃねー!!」
あいつ助けに来てくれたんじゃなくて、自分かわいさに俺を陰谷さんの生け贄に捧げるために来たのかよっ!
「い、いやーだってしかたねーじゃん見てみろ鳴美さんの手に握られているものを!」
「あ?なにもってるって、うおおおおおー!!!」
「うあああああああああっ!陰谷ハサミ振り回すなー!」
大島くんもさすがにやばいと思ったみたいだ。だって彼女の目に完全邪魔するやつは殺すとか思ってる目だもん!
「ダーリン捕まえるの邪魔したら殺す!」
ほらみろ彼女自身口にしてるもん!
「「「あああああああああ!!!」」」
いちを言っておくが俺らと陰谷さんは競歩で逃げて、追いかけてます。(※競歩とはトラックまたは、道路で歩く速さを競う競技のことです)
「ごめん、ほんっとうにごめんよっ!でも仕方ないよね!だってすっごい怖かったんだもん!」
「許さん!ゆるさんからなー達久!ケイドロ終わったら絶対奢れよな!」
「俺にもな!」
「てか大島くん窓から逃げろよ!」
「そんな余裕は、ない!陰谷速すぎ!」
今のうちに俺たちを捕まえればいいのに、今はそこまで頭が回らないのだろう。付き合わせてごめんね!
「とりあえず逃げろー!!」
いやお前のせいでおいかけられてんだよ!
「逃げきれたようだな」
「ようだな」
なんとか陰谷さんから逃げきることができた。もちろん大島くんからも。
今は体育館裏の茂みに達久と隠れている。
「もうこれは奢るだけじゃ許せないかもしれないな」
「まぁまぁそんなに怒んなって、な?」
「まったく。それより達久に聞きたかったことがあんだけどさ」
「なんだ?」
「お前と別れてからさぁずっと大島くんにおいかけられてんだよ、なんでか分かるか?」
「あぁそういえば優哉にはいってなかったよな、あれはよ・・・お前が監視カメラの前とか通ってるからだよ、たぶん」
やっぱりか─────。
「監視カメラってもしかしたら、綾瀬さんを見ない理由と関係あったりすんのか?」
「そうだ、リーダーわよ、パソコンを使って監視カメラをハッキングして俺たちをさがしてんだよ。ああ安心しろここは監視カメラはないから」
「なんであいつそこまですんの?ばれたら反省文じゃすまないぞ」
なんで遊びでそんなことを・・・。と、言い終わる前に達久が、
「遊びだからだよ。あと部活だからってのもある」
どういう意味だ?
「わかんねーか?ケイドロ始める前に説明であっただろ、これは楽しむ為の遊びだって」
「いや、楽しむためって・・・でもさすがにやりすぎってのが」
「でも楽しいだろ?」
「・・・・」
正直言って今ものすごく楽しいと思っている。ハラハラさせられることもあるが、スリルがあるし今久々にまいあがっている。
「まあリーダーが怒られることがあるなら俺らがかわりに怒られるってのが俺と鳴美や、佐倉に和俊の裏で決めた誓いがある。俺たちはさあ、リーダーに恩があるんだ。ああ優哉はいいよまだ仮入部だし」
「そっか」
「ああ」
達久たちにそこまで思わせるなんて、綾瀬さんは一体なにをやったんだろ?
それを俺は聞けなかった。さすがに人のプライベートに入りたいとも今は思ってないし、今まで姿をださなかった綾瀬さんが大島くんと陰谷さんを引き連れ現れたからだ。
「ずいぶん手こずらせてくれたわね」
俺から見て右手に大島くんと綾瀬さん、左手に陰谷さんをなんかいい感じだな。
陰谷さんを一人で置かせたのは俺らが彼女を恐怖しているのを知っているからだろう。
陰谷さんは綾瀬さんに指示を出されているのか、腕をずっと掻いている。達久を早く捕まえたそうだ。
達久をつき出せば陰谷さんは俺を見逃してくれるだろうか?
「もう観念してそこの茂みから出てきなさい!」
「な、なんで俺らの居場所が分かったんだよ!」
あっ、それ俺も思う。
「簡単よ、監視カメラを見てきたのよ!」
「えっ!ちょ、ちょっと待てここって監視カメラがないんじゃ」
「それ誰がいったの?」
「え~と達久が・・・」
「はあー本当に仕方ないやつね、聞いてないの夏目くん?先週皆が安心できるようにって、学校が新しく取りつけたのよ」
「おい、達久」
「あっははー、確かにそんな事を言ってたような」
「達久のバカ野郎ー!」
「すいませんでしたー!!」
すいません!まだ終わりませんでした。