俺は仮入部を決意する!
いろんな部活の喧騒が聞こえてくる放課後、俺は今高台高等学校の西棟にある理科準備室もとい『人生楽しんだもん勝ち部』の部室前にいる。何故この部活に入るのを嫌がる自分がここにいるのかと言うと、7時間前まで遡る。
7時間前・・・職員室でのことだ。俺は綾瀬さんに聞く。
「なぁ、『人生楽しんだもん勝ち部』ってなにする部活なんだ?」
「名前のとおりよ!人生を楽しむための遊びを考えて、考えた遊びをする部活よ!」
「おっ、おうなまえのとおりだな、うん。それで、今までどんなことしてきたんだ?」
「どんなって・・・部活だけど」
「うん!ごめん、今のは聞き方を間違えた俺がわるいですね!でも、綾瀬さん成績優秀なんだよね?いや、頭がいいからこそ分からないのか?聞き直すけどね『人生楽しんだもん』略部は今までどんな遊びをしてきたの?」
「あ~それが聞きたかったのね!それならそういいなさいよ!あと、勝手に部活名を略さないでよ!」
そう言ってたつもりなんですけどね、つもりがダメだったのか?
「いい?『人生楽しんだもん勝ち部』の今までやってきた遊びは「見つけたぞー!!」
と、誰かが職員室で叫ぶ。一瞬綾瀬さんの肩がビクッと反応していた。そいつは綾瀬へと近づいて、
「やっぱりここか!ほら、リーダー教室にもどるぞ、朝のホームルームはじまるぞ」
「げっ夏目くん!どうしてここが分かったの!?」
「昨日リーダーが自分で言ってただろ、明日来る転校生を勧誘するってわめいて、で俺らが迷惑になるからやめろって昨日喧嘩しただろ!アイス奢ったら諦めるって言ったから帰りに買ってやったってのに!まぁいいや、ほら行くぞリーダー」
「嫌だ!まだ答えを聞いてないんだ!うがー!!」
「ごめんな転校生うちのリーダーが迷惑かけたな」
そう言ってまだ駄々こねる綾瀬さんを「うるさい!」のひとことで黙らせた。俺もびびってしまった。
「あっ!」
『人生』略がどんなことしているのか聞けなかった、仕方ない先生にでも聞くもするかと思い、宮舞先生に聞こうとすると先に先生が、
「気になるのなら仮入部するってのはどうだい?多分彼女のことだ、これからもひつこく勧誘に来るだろうな~何故君みたいなのを選ぶのか分からないがね~」
「みたいは余計だ」
「まぁ、仮入部をしてみてつまらないと思うのならばやめればいい、ダメだったと分かれば彼女も諦めるだろ、うん」
「いや彼女のことだからそんな簡単に諦めないでしょ、また、新しい方法で勧誘してくるかもしれないじゃないですか」
「なら条件つければいいんじゃないのかい?」
「せっ、先生ー!先生天才ですか!」
「まぁね、いちをこれでも先生だからね~!」
そんな会話をしながら先生が重い腰をあげて教室へと向かう、教室につくとまず先生が先に入り、後から先生が中から俺を呼び、俺は教室に足を踏み入れると、
「鈴峰くーん!」
生徒の方から名前を呼ばれて嫌な予感がしたが、とりあえず呼ばれた方に首を捻る、そこにいたのは、
「やあやあ、またあったね~鈴峰くん!」
綾瀬さんが椅子に座りながらこちらに手を振っていました。
「あっ、綾瀬さんの!?」
「同じクラスよ私達!ふふっこれで勧誘しやすくなったわね」
「先生なんで教えてくれなかったんです?ビックリしたんですけど」
「君の反応が見てみたくてね、だが、君の反応はありきたりでつまらなかった、しっかりしてくれ。もっと「ぎゃー!!」みたいにやってくれよ~」
先生の中では俺ってどんな存在なんだよ、俺にそんなの求めないでくれ。ていうか、先生にだけ「しっかりしてくれ。」なんて言われたくない!
「鈴峰くんや~君の席は~っと、向こうね」
と、先生は綾瀬さんの席の横を指さす。まじですか、仕方ないとため息を吐きながら席へと向かう。
「よく来たわね。私はあなたがどれだけ断ろうとも諦めないわよ!答えも聞いてないし、これからよろしくね!」
「あぁよろしく、あとさっきの答えだが・・・」
「答えは決まったのね。で、どうするの?」
「ああ、俺仮入部することにした」
「やったーって仮入部かい!むむむーまぁ興味は持ってもらったってことでいいのね?」
「いや、興味があるんじゃなくて、気になったから仮入部することにした」
「う~んつまり面白い部活だと分かれば入部してくれるってことね?」
「うん、そういうこと、勿論興味がわかなければ入部を断るからな」
「ふふっ私が諦めるとでも?」
「と、言うと思ったから条件をつける」
「条件?」
「うん、もし俺が『人生楽しんだもん勝ち部』に仮入部する代わりに、俺が興味が持てず入部を断っても、その次の日から勧誘を禁止ね、でも、そのかわりに興味を持ったら俺はその日から『人生楽しんだもん勝ち部』に入部する!」
「いいわよ!楽勝な条件ね、あなたが『人生楽しんだもん勝ち部』に入らない未来なんて存在しないだから、放課後がたのしみね!」
「なんでそんな断言出来るんだよ!まぁせいぜい俺を楽しませてくれよ!」
「うるさいよー、まだホームルームの時間だ静かにしたまえ、ラブラブするのは結構だが後にしてくれ」
「「ラブラブして(ないよ)ません!!」」
宮舞先生に注意され席につくと前の席から、
「すまねーな鈴峰くん、あいつ一度言い出すと止まらねーんだよ」
「いや、大丈夫だよあれあんたは確か・・・」
「夏目、夏目 達久これからよろしくな!」
そう言うと、職員室で見た恐ろしい顔ではなくさわやかに笑う夏目くん、髪は少し赤く短髪だスポーツ系だろうか?制服のぼたんは2つ外しワイシャツのしたから黒い服が見えていてネクタイはしていない。そしてブレザーごと腕捲りをしていた。
「あぁ、よろしく!夏目くんはさぁ・・・」
「達久でいいよー」
「達久はもしかして『人生楽しんだもん勝ち部』なのか?」
「おう!そうだぜー」
「達久はどうして入ろうと思ったんだ?」
「ん?そんなの面白かったからに決まってるだろ?」
「そっそうか」
「鈴峰くんばっか質問してんじゃん!俺にも質問させろー!」
「あっああ、どんとこい!」
達久と昨日のテレビの話や、趣味の話などをしていると、気づけば朝のホームが終わっており、宮舞先生はフラフラと教室を出ていく、そのあとは達久やクラスの連中にいろいろ質問や話をして気づけば放課後だった。
(そういえばクラスの連中と話している時全然綾瀬話してこなかったなー)
そして、帰りのホールルームが終ってすぐに、綾瀬は達久の腕を引っ張って、
「鈴峰くん、私達は先に行くからこの地図見ながら部室にきてね!じゃああとで!」
と、何気に完成度の高い地図を置いて教室から出ていく。何故手作りの地図何だと思ったが気にしないことにした。
そして今というわけだ。わかったか?まぁそれはいいとして、俺は今迷っている、なぜかって?だって扉に『開けるな!危険!!』の張り紙がはってある。綾瀬さんのことだ何かあるに違いない、どうする。とりあえず待たせ過ぎるのは良くないと思う俺は3回扉をノックする。中から、
「はいっていいわよー!」
との綾瀬の声、意を決して扉を開ける・・・優哉!入ります!
がちゃ!中は普通の理科準備室でした。考え過ぎてた俺が恥ずかしい!何か準備しとけよ!
とりあえず中を見渡せば両方の壁際には動物の骨や虫の標本、授業で使うであろうビーカーに入っている液体、奥の窓際にはソファーがありそこに宮舞先生が寝ながらパソコンをいじっている。そして真ん中には長机がありそこには綾瀬さん、達久他知らないヤツが3人座っていた。
長机に座る一人の少女に綾瀬 古町は立ち上がり俺に指さし言う、
「ようこそ、私達『人生楽しんだもん勝ち部』の部室へ!鈴峰 優哉くん!」
いろいろ展開が早く感じると思います、でもこれはこれでいいんです。