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熊本・大分(九州中部)地震 記録簿  作者: あまやま 想
4月16日(土) 揺れに始まり、揺れに終わる苦悩の一日
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4月16日(土) その4

 2度目の地震は1度目より揺れる時間が長く、揺れ方も大きかった。そのため、1度目の地震で何とか耐えた建物も崩れてしまったため、被害がさらに拡大した。


 また、1度目は何とかガスや水道も問題なく使えていた。しかし、2度目の地震でガス管や水道管も致命的なダメージを受けたのか、全く使えなくなっている。


 何より、見た目の上では全く被害の無い家でも、次に大きな地震が発生したら家が崩れるかもしれないと恐怖が人々を避難所に殺到させた。避難所は人があふれ返り、避難所に入れない人も出る。


 14日夜から、車を持っている人は車中泊を選び、車が無い人は野宿を強いられた。ところが16日は夕方から雨がふりだす。


 夕方から雨で野宿もできないため、普段なら到底避難所になり得ない役所の建物内にもあふれんばかりの人がいる。それでも誰一人として恐怖のあまり、家には帰れないのだ。


 本来なら避難所や役所などに備蓄されている食料や毛布などの支援物資も1度目の地震で結構使用していた上、2回目は想定外の人々が避難所などに殺到したため、完全に不足している。


 わずかな食料を分け合う形となったため、物資を手に入れられたとしてもお腹を満たすには程遠い。中には全く物資を手に入れられずに何も食べないまま夜を明かさないといけない人もいたほどだ。


 二度目の地震は人々からわずかな余裕さえ奪い、堪え難い恐怖心を際限なく膨らませるのに十分過ぎた。


 すでに昼過ぎには14日夜の地震は前震、16日未明の地震が本震と気象庁から発表されていたが、そんな事は実際に2度の地震を体感したものにとっては2度目の地震が終わった時点で分かりきったことである。


 地震の大きさのみならず、揺れた時間、被害の大きさなどを考えても、全てにおいて16日の地震の方が大きかった。もう、大地震が起きないなんて甘い考えはできない…。


 3度目に備えて、私は狭い車の中で一人夜を明かした。数えきれないほどの余震と雨の音が気になって、残念ながらほとんど眠れなかった。

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